研究課題/領域番号 |
22KJ0747
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補助金の研究課題番号 |
22J01164 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡邉 萌 東京大学, 工学系研究科, 助教
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 交通需要予測 / 交通行動分析 / 離散選択モデル / アクティビティモデル / 内生性 / 因果推論 |
研究開始時の研究の概要 |
アクティビティ型交通行動モデルにより人々の一日の行動をシミュレートし,交通需要を算出する試みが国内外で行われている.このモデルの強みは,多様な施策の波及効果を「人々の活動や移動の変化」といった視点から評価できる点にある一方,欠落変数が原因となり生じる内生性バイアスへの対処は十分とはいえない.本研究では,アクティビティ型交通行動モデルに生じる内生性バイアスの補正手法を開発し,その有効性を検証する.開発に際して生じるパラメータ識別の問題は,ベイズモデリングの枠組みで対処する.
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研究実績の概要 |
2022年度では,まず機械学習やベイズ統計分野におけるモデリングや推定アルゴリズムに関するレビューを行い,モデル開発の方向性に関して検討を行った.検討を踏まえて,モデル構造として (a) 選択肢集合の形成,(b) 選択肢集合形成における選択肢相関,(c) 選択肢集合を所与とした離散選択,(d) 離散選択における選択肢相関,(e) 選択肢集合形成と離散選択との間の未観測異質性,(f) 説明変数に含まれる内生変数,に対処する新たなモデルの開発を行った.このモデルはアクティビティ型交通需要予測モデルを構築する際に,選択肢集合形成の考慮が必要不可欠となる活動場所 (ゾーン) 選択や交通手段選択を記述する役割を担うことが期待される.また,提案したモデルは多変量正規分布を援用しているため,尤度関数の計算に数値積分が必要な,所謂オープンフォーム構造を有している.そのため,提案したモデル構造に適したベイズ推定アルゴリズムを構築し,効率的な推定手順を併せて提案した.加えて,提案モデルの有効性をシミュレーションにて検証を行った.2023年度では,米国の世帯を対象とした交通調査であるNational Household Travel Survey (NHTS) データへの適用を予定しており,現在はその準備を進めている.提案したモデルや推定アルゴリズム,またそれらを用いた実証分析は2023年に開催される国際学会にて発表を予定している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アクティビティ型交通行動モデルに生じる内生性を補正する新たな離散選択モデルの開発を行い,2022年に開催された交通行動モデリングの国際学会であるInternational Choice Modelling Conference (ICMC) にて発表を行った.また,当該研究は交通行動モデリングの国際ジャーナルであるJournal of Choice Modellingに投稿論文が受理された.また,そのモデルを発展させる形で新たなモデルの開発も行っており,その研究は2023年に開催される国際学会にて発表申込が受理されている.以上より,現状の進捗状況としてはおおむね順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として,(1) 提案モデルの実データへの適用,(2) アクティビティ型交通需要予測を構成するための新たなモデルの開発,(3) 提案モデルを基礎とした新たなアクティビティ型交通需要予測スキームの開発とその有効性の検証,が挙げられる.
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