研究課題/領域番号 |
22KJ0753
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補助金の研究課題番号 |
22J01340 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | クラスター株式会社(メタバース研究所) (2023) 東京大学 (2022) |
研究代表者 |
廣井 裕一 クラスター株式会社(メタバース研究所), メタバース研究所, シニアリサーチサイエンティスト
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 視覚拡張 / 接眼ディスプレイ / 低遅延 / 頭部トラッキング / 低遅延視覚拡張 / 拡張現実感 / 光学歪み較正 / ニューラルレンダリング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、人間の知覚よりも速い速度で視界の書き換えを実現する視覚拡張技術を提案する。視覚拡張は、ユーザの視界に直接干渉することにより、視覚機能を制御・強化する概念である。近年では、計算機により適切な視覚刺激を計算し、頭部搭載型ディスプレイ等により装着者の視界を直接書き換える視覚拡張システムが提案されている。一方で、視覚刺激を提示する際の遅延に関する検討は十分でなく、実社会における視覚拡張の応用を狭めている。本研究では、実環境や人間の視覚・行動を高速度に計測し、装着者の視界変化を予測する。その後、実際の変化に先んじて視野に提示すべき視覚刺激を計算することで、低遅延視覚拡張システムの実現を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、低遅延な視覚拡張技術の確立を目標とし、低遅延な映像提示が可能な接眼ディスプレイ光学系、接眼ディスプレイと眼の空間較正、および視覚計測に基づく視覚刺激の提示を統合的に研究している。 本年度は、低遅延な映像提示が可能な接眼ディスプレイの開発において、ステアリングミラーと二次元ラテラル位置センシング素子による同軸光学系を使用し、頭部をトラッキングしながら外部から眼前に映像を投射できる低遅延接眼ディスプレイシステムを実現した。この成果はVR分野のトップ国際論文誌であるIEEE Transactions on Visualization and Computer Graphics (TVCG)に採録された。さらに、このモジュールを複数台同期制御することにより、映像を提示できる空間の拡張を実現する方法についても検討を進めた。また、頭部トラッキングのための光マーカに高周波変調光を利用し、位置センシング素子にハイパスフィルタを用いることで、頭部運動のトラッキングノイズを低減する手法についても研究を行った。 加えて、可変波長板とデジタルマイクロミラーを組み合わせて低遅延で動作する画素単位での偏光カラーフィルタを実現し、このフィルタを高速に時間多重同期させることで入射光の色減算を可能とするディスプレイを提案した。この成果も、同じく国際論文誌IEEE TVCGに採録された。本手法はは、低遅延かつ高速な入射光の色減算が可能となるため、色覚の再現や補償など、ユーザの視覚特性に応じた低遅延の視覚拡張への応用が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年は、研究計画において記載した研究項目のうち、「低遅延な映像提示が可能な接眼ディスプレイ光学系」「視界の高速度計測」に向けた要素技術が順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、これまでに開発した低遅延ディスプレイ光学系および空間較正、頭部運動予測と頭部位置に従った高精細映像提示に関する要素技術を統合し、視覚拡張システムの構築と評価を行う。また、開発したシステムを用いてユーザ実験を行い、瞬間的な変化に先んじて視界変調が可能かどうかを評価する。
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