研究課題/領域番号 |
22KJ0764
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補助金の研究課題番号 |
22J10013 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮田 瑞穂 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2023年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2022年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 副詞 / アスペクト / 「もう」 / 「まだ」 / モウ / マダ / 尺度構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、 これまで命題内副詞とされてきた副詞の中で 話者の心的態度を表さないが 命題を構成しない非真理条件的な副詞であると考えられる「もう」と「まだ」に着目する。そして、それらの副詞が文のテンス、アスペクト、モダリティとどのように関係しているかを明らかにする。その後、「もう」と「まだ」の分析を通して、非真理条件的な副詞の持つ意味を分類し、日本語のモダリティ研究で論じられている「話者の心的態度」が具体的にどのような意味なのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
2023年度には、2つの主要なプロジェクトに取り組んだ。1つ目は、日本語の副詞「もう」と「まだ」の時間に関する用法以外の側面について、形式意味論と語用論の観点から分析を行うことであった。具体的には、「もう」の超過用法や感動詞的用法に焦点を当て、感嘆文との比較を通じてその使用法を探究し、得られた成果を国際学会や論文で発表した。また、「まだ」の比較的な使用法に関する研究を進め、アンケート調査やコーパス分析を通じてその文脈や意味について考察した。これらの成果を踏まえ、「もう」と「まだ」の時間的な用法と程度を含む用法の統一的説明を試み、「もう」と「まだ」の全体的な意味の検討を行った。
また、2つ目のプロジェクトとして、日本語の副詞全体の機能と意味に関する包括的な研究を行った。これには、「もう」と「まだ」の他にも、さまざまな副詞が含まれ、それらの相互作用や使用文脈についても分析した。この研究では、副詞の意味論的側面が焦点とされ、日本語の副詞の体系的な理解を深めた。
2023年度の後半には、これらの研究成果を元に博士論文の執筆が行われた。その過程で、これまでの研究成果が総括され、特に「もう」と「まだ」の非真理条件性と主観性が他の副詞と比較されながら分析された。結論として、「もう」と「まだ」はモダリティ副詞に近い非真理条件性を持ちつつも、客観的な副詞であると考えられた。さらに、各々の用法をより精緻に分析することで、研究成果が博士論文としてまとめられた。この博士論文は2024年3月までに提出される予定である。
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