研究課題/領域番号 |
22KJ0773
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補助金の研究課題番号 |
22J10288 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三浦 崇寛 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | Sleeping Beauty / Prince / Altmetrics / 研究評価 / 科学計量学 / Science of science / 研究支援 / 論文推薦 / テクノロジー・インフォマティクス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、引用されない期間を経た後に急激に引用を獲得した論文群(Sleeping Beauty)を中心として非連続な発見が学術分野を形成するプロセスを解明し、Sleeping Beautyが科学全体に与える影響とその発見を広めた他の論文群の役割を明らかにする。また、それを用いて学術分野の登場から発展までのモデルを書誌情報の観点から構築し、各分野の専門家の俯瞰的な分野理解を可能にすると同時に、科学技術政策に活用可能な知見を抽出する研究である。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、前年度明らかにしたSleeping beauty, Prince論における指標の検証・評価を受けて、Sleeping beautyをより早く発見するための工学的なアプローチに向けた研究の発展を行った。これまで引用数で議論されてきたSleeping beauty論に、readershipと呼ばれる論文のダウンロード数の観点を初めて加え、革新的な発見が睡眠してしまう理由が、当該研究が着目されていたものの引用に結び付かなかったことによるものであることを初めて示した。本成果は、研究の多様な評価軸を示す取り組みとして横幹連合カンファレンスでの口頭発表に結びついている。本課題を通じて得られた知見は、広く科学における成功のメカニズムの研究へと広がりを持つものであり、Science of science領域のトップ会議であるICSSIやISSIでの口頭発表の他、その研究成果を活かした博士研究は令和5年度の工学系研究科長賞を受賞した。 さらに、本研究成果を通じて得られた、Sleeping beautyから分野が形成されるプロセスと、その睡眠段階の研究者の審美眼の存在の示唆を、Research Intelligenceの活用に向けた取り組みに応用した。日本で初めてとなるScience of science研究会において招待セミナーを行った他、電子情報通信学会ICS-NLC研究会でも招待講演を行うなど、学術における多様な評価軸に関する分析結果を広く研究者コミュニティに伝えており、2023年度の「東京大学統合報告書」においてもコラムの形で紹介された。 総じて本プロジェクトは、Sleeping beautyを科学の多様な時間軸の指標として活用可能であることを示し、その影響力が幅広い分野に及んでいること、その早期発見に向けて引用に先駆ける研究活動指標を活用する重要性を示した。
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