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ALS病因タンパク質FUSの凝集体形成機構および神経毒性発揮機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ0792
補助金の研究課題番号 22J11194 (2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2022)
応募区分国内
審査区分 小区分49010:病態医化学関連
研究機関東京大学

研究代表者

岸野 祐也  東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードFUS / ALS / FTLD
研究開始時の研究の概要

筋萎縮性側索硬化症やアルツハイマー病、パーキンソン病などの多くの神経変性疾患に共通した病理学的な特徴として、特定のタンパク質からなる封入体が患者の神経細胞内に認められることが挙げられる。本研究では、この封入体が神経毒性を発揮することが疾患の原因となるという仮説に立脚し、筋萎縮性側索硬化症などの患者の一部で神経細胞内に封入体を形成するFUS(fused in sarcoma)に焦点をあて、FUSの凝集体形成機構および凝集体形成による神経毒性発揮機構の解明を行う。さらに、FUSの凝集体形成機構を標的とした新規治療法の開発を目指す。

研究実績の概要

筋萎縮性側索硬化症(ALS)や前頭側頭葉変性症(FTLD)などの神経変性疾患の患者の一部では、神経細胞内にFUSからなる封入体が認められる。本研究では、この封入体が神経毒性を発揮することが疾患の原因となるとの仮説に立脚し、FUSの凝集体形成機構および凝集体形成による神経毒性発揮機構の解明を目指し、研究を遂行した。
1)培養細胞において、FLAGタグを付加したFUS P525L (家族性ALSで認められる変異) を強制発現させると生じるFLAG陽性の凝集体様構造物が出現し、前年度の研究でFUSの可溶性を上昇させることを見出していたallS変異 (FUSのlow-complexity domain内のチロシンを全てセリンへ変える変異) の導入やCK1δ/εの共発現を行うと、減少することを見出した。これはFUSの可溶性が、細胞における凝集体形成にも関連している可能性を示唆するものである。
2)CRISPR/Cas9システムを用いて内因性FUS遺伝子をノックアウトした培養細胞を用いて、FUSの部分欠損変異体について可溶性の検討を行ったが、いずれも全長が保たれたFUSよりも可溶性が上昇した。FUSのN末側とC末側との相互作用が可溶性の低下をもたらす可能性を考え、異なる部分欠損変異体の共発現を行ったが、可溶性に明らかな変化は認められなかった。これらのことから、FUSの全長が保たれていることが、可溶性が低下する必要条件である可能性がある。
3)2)で作製した内因性FUSノックアウト細胞と、ノックアウトしていない細胞を用いてRNA-seqを施行し両者の比較を行うことで、FUSが影響を与えるRNA群の同定を試みた。公共リポジトリに保存されているRNA-seqのデータも用い、同様の検討を行った。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Casein kinase 1δ/ε phosphorylates fused in sarcoma (FUS) and ameliorates FUS-mediated neurodegeneration2022

    • 著者名/発表者名
      Kishino Yuya、Matsukawa Koji、Matsumoto Taisei、Miyazaki Ryota、Wakabayashi Tomoko、Nonaka Takashi、Kametani Fuyuki、Hasegawa Masato、Hashimoto Tadafumi、Iwatsubo Takeshi
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 298 号: 8 ページ: 102191-102191

    • DOI

      10.1016/j.jbc.2022.102191

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] FUSプロテイノパチーにおける神経変性機構の解明2024

    • 著者名/発表者名
      岸野祐也, 松川浩二, 松本大成, 若林朋子, 野中隆, 亀谷富由樹, 長谷川成人, 橋本唯史, 牛久哲男, 岩坪威
    • 学会等名
      第113回日本病理学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Casein kinase 1δ/εはfused in sarcoma (FUS)をリン酸化し 、FUSを介した神経変性を軽減する2023

    • 著者名/発表者名
      岸野祐也, 松川浩二, 松本大成, 宮崎良太, 若林朋子, 野中隆, 亀谷富由樹, 長谷川成人, 橋本唯史, 岩坪威
    • 学会等名
      第46回日本神経科学大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] casein kinase 1δ/εがFUSの神経毒性に与える影響に関する検討2022

    • 著者名/発表者名
      岸野祐也, 松川浩二, 松本大成, 宮崎良太, 若林朋子, 野中隆, 亀谷富由樹, 長谷川成人, 橋本唯史, 岩坪威
    • 学会等名
      第41回日本認知症学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-28   更新日: 2024-12-25  

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