研究課題/領域番号 |
22KJ0839
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補助金の研究課題番号 |
22J12050 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
有賀 ゆうアニース 東京大学, 大学院情報学環, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
2023年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2022年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 混血児 / 人種 / 差別 / 歴史社会学 / 教育 / 児童福祉 / 移民 / 占領期 / 社会学 / マイノリティ |
研究開始時の研究の概要 |
戦後日本では米軍兵士と日本人女性の間に大量の児童が生まれ、彼らの存在は「混血児問題」として社会問題化された。本研究は、「混血児問題」をめぐる政府による国外への移住を志向する取組と、民間による国内への同化を志向する取組を社会学の視座から分析することで、「混血児」「ハーフ」と呼ばれる人々の人生経験がいかに社会的・歴史的に編成されてきたのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
戦後日本では米軍兵士と日本人女性の間に大量の児童が生まれ、かれらの存在は「混血児問題」として社会問題化された。本研究は、この事例をとりあげ、その経過と帰結を歴史社会学的に解明するものである。具体的には、①日本政府・文部省およびアメリカ政府による「混血児」への日本国内への統合を志向する取組がどのように成立・展開してきたのか、②日本政府・厚生省および日米両国の民間団体による国外への移住を志向する取組がどのように成立・展開してきたのか、そして③①・②の取組をつうじて戦後生まれから現代にいたるまでの「混血児」「ハーフ」と呼ばれる人々の人生経験がいかに社会的・歴史的に編成されてきたのか、特にかれらがその差別の経験にどう向き合ってきたのかという3つの問いに答えることを試みる。 2023年度を通じて、②と③に重点的に取り組んだ。②については、国内外のアーカイブで文書資料の調査を行い、国際養子縁組事業がどのような歴史的経緯で成立し発展してきたのかを解明した。この過程に関する知見を含む研究論文および書籍への寄稿を執筆した。また③については、高齢・および若年世代の人々へのインタビュー調査を十数件にわたって実施するとともに、より若い世代による人種差別の経験に関するソーシャルメディア上のデータを収集した。これらの分析を踏まえた学会報告を国際学会で行った他、関連する内容を投稿論文として寄稿し、当該の編集委員会の査読を経て掲載された。現在は高齢世代の生活史に関する分析をまとめた論文、および高齢世代と若年世代の比較をまとめた論文を、いずれも国内の査読ジャーナルに投稿中である。 前年度までの研究実績を上記の成果と統合し整理することで、博士学位論文を執筆・提出し、博士学位を取得した。今後はその日本語による書籍化に着手することを目指す。
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