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発達期の脳内出血によるマイクログリアの赤血球貪食と訓練免疫機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ0974
補助金の研究課題番号 22J15067 (2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2022)
応募区分国内
審査区分 小区分46010:神経科学一般関連
研究機関東京大学

研究代表者

河野 玲奈  東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2023年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2022年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード発達期 / マイクログリア / 赤血球貪食 / 多様性
研究開始時の研究の概要

本研究では、我々が発見した現象である「生後初期の健常なマウス脳内で生じる微小出血」に関して、細胞応答およびその生物学的意義を明らかにすることを目的とした研究を行う。特に、脳内において高い貪食機能を有するマイクログリアに着目し、マイクログリアが生後初期に赤血球を貪食、除去することで神経保護的な役割を担うことを証明する。さらに、赤血球の貪食自体がマイクログリア自身へ及ぼす影響の解明を目指す。

研究実績の概要

本研究では、健常な発達期マウス脳内における局所的な赤血球漏出に関し、①脳内免疫細胞であるマイクログリアが赤血球を貪食し除去することが正常な脳発達に必要であるか、②発達期に赤血球を貪食したマイクログリアはその後の赤血球応答性が異なるか、の2点の検証を目的とした。
①については、細胞死マーカーによる評価を行い、マイクログリア特異的なHO-1の欠損により、出血周囲における細胞死が増加することを見出した。
②については、赤血球貪食マイクログリアの標識ツールであるHO-1-DsRedマウスを用いて、赤血球貪食マイクログリアの性質の網羅的探索を行った。その結果、恒常性マイクログリアで高発現するホメオスタティック遺伝子(P2ry12を含む)が低発現していることが明らかとなった。次に、遺伝子発現変化の分子メカニズムについて示唆を得るため、P2RY12の十分な発現が確認できるスライス培養マイクログリアにおいて薬理学的にHO-1発現活性を誘導したが、P2RY12の発現低下は認められなかった。一方、全血から単離した赤血球を処置したところ、P2RY12発現は有意に低下したが血漿成分ではP2RY12発現に変化がなかった。以上の結果から、赤血球がHO-1非依存的にマイクログリアのP2RY12発現を低下させること、これに血漿成分に含まれる液性因子は寄与しないことが明らかとなった。最後に、生体脳における非侵襲的な微小脳出血の検出をMRIにより試みた。T2*強調撮影の結果、生後1日齢の野生型仔マウス脳内において出血様のシグナルを認め、その後の組織学的検証により対応部位に実際に出血が存在することを確かめた。
以上の結果から、発達の過程において、野生型の健常なマウス脳内において微小出血が確かに生じており、これがマイクログリアのサブポピュレーションの性質に影響することが明らかとなった。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 複数種のグリア細胞によるシナプス貪食2023

    • 著者名/発表者名
      河野玲奈、池谷裕二、小山隆太
    • 雑誌名

      日本薬理学雑誌

      巻: 158 号: 5 ページ: 348-352

    • DOI

      10.1254/fpj.23004

    • ISSN
      0015-5691, 1347-8397
    • 年月日
      2023-09-01
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 健常発達に伴う微小脳出血はマイクログリアの転写特性に変化 をもたらす2023

    • 著者名/発表者名
      河野玲奈、池谷裕二、小山隆太
    • 学会等名
      第46回日本神経組織培養研究会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Developmental intracerebral hemorrhage induces transcriptional heterogeneity in microglia2023

    • 著者名/発表者名
      Kono, R., Ikegaya, Y., Koyama, R.
    • 学会等名
      The 50th Naito Conference
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Microglia phagocytose red blood cells in the postnatal mouse brain2022

    • 著者名/発表者名
      河野玲奈、池谷裕二、小山隆太
    • 学会等名
      第21回東京大学生命科学シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 発達期のマイクログリアによる赤血球除去2022

    • 著者名/発表者名
      河野玲奈、池谷裕二、小山隆太
    • 学会等名
      第45回日本神経科学大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 発達期脳内出血はマイクログリアに不均一性をもたらす2022

    • 著者名/発表者名
      河野玲奈、池谷裕二、小山隆太
    • 学会等名
      第96回日本薬理学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-28   更新日: 2024-12-25  

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