研究課題/領域番号 |
22KJ1040
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補助金の研究課題番号 |
22J21087 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大島 由佳 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 地震速報 / 重力勾配計 / 精密測定 |
研究開始時の研究の概要 |
地震発生をごく短時間で検出し警報を出す技術は、災害被害を軽減するために不可欠である。近年提案された地震の断層破壊による質量の動き(重力場変動)を検出する手法が実現すれば、地震波を検出する現在の手法より15秒程度早く速報を出すことができる。 地震に起因する重力場変動を検出するためには、0.1 Hz付近の重力場変動に高い感度をもつ重力勾配計の開発が必要である。本研究では、0.1 Hzにおいて10の-15乗 /√Hzの感度をもつねじれ振り子型重力勾配計を開発・運転し、地震の検出限界を定量的に評価する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、より早い地震速報に向けた重力場変動検出システムの構築である。地震の断層破壊による重力場変動は光速で伝搬するため、地震波を検出する現在の手法に比べて15秒程度早く警報を出すことができる。目的を達成するために、ねじれ振り子型重力勾配計TOBAを開発し、0.1 Hzにおいて10の-15乗 /√Hzの感度を実現する。この感度は0.1 Hz付近の周波数帯での世界最高感度に相当する。具体的には、角度センサ、低温ねじれ振り子、能動防振系を開発し、雑音を十分に低減してTOBAの設計感度を実現する。当該年度は、重力勾配計TOBAの開発を以下のように行った。 ①常温下でのねじれ振り子の設計と製作 低温ねじれ振り子の開発に向けて、まずは常温下でねじれ振り子を開発し、ねじれ振り子の両端に取り付けた2本の光共振器の長さ変動の差からねじれ振り子の回転を測定し、設計の問題点の洗い出しと共振器制御の実証を行う。光共振器の構成方法、中段マスと試験マスの形状、懸架ワイヤの本数など、様々な設計を検討し、並進地面振動からのカップリング雑音が小さくなるように設計を行った。縦防振を取り入れた懸架台、中段マス、試験マス、光学ベンチの部品の設計を行い、製作を進めた。 ②低温下でのねじれ振り子の部品購入 低温下では、ねじれ振り子の基材として低温で特性の良いシリコンを採用する。並進地面振動からのカップリング雑音を低減するためには、ねじれ振り子の両端に取り付けた2本の光共振器の平行度を10の-5 radまで抑える必要がある。そのため、シリコン製のねじれ振り子の基材に高反射率のコーティングを施す。コーティングを施した長さ30 cmのシリコン基材は特注での購入となり、納期が3か月程度と長いため、今年度中に打ち合わせと発注を行い、納品まで完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
常温下でのねじれ振り子の設計・部品納入が完了し、製作を開始することができたため。また、低温下でのねじれ振り子の開発に向けて重要となるシリコン基材の購入も完了したため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、常温下でのねじれ振り子の製作を完了し、光共振器による角度読み取りを実現して、設計の問題点を洗い出す。問題点が見つかった部品の部分に関しては設計の改良を行う。改良した設計・シリコン基材を用いて低温ねじれ振り子の製作・観測運転を行う。
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