研究課題/領域番号 |
22KJ1066
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補助金の研究課題番号 |
22J21484 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
辻 優太郎 東京大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2024年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 国立大学法人運営費交付金 / 基盤的経費 / 成果を中心とする実績状況に基づく配分 / 文部科学省 / 予算編成 / 国立大学法人 / 競争的配分 / インタビュー |
研究開始時の研究の概要 |
近年、学術研究のアウトプットにおける日本のプレゼンス低下が指摘されるが、大学への財政支援は大きな影響を与える要因の一つである。本研究は、2004年の法人化以降、一部機関への「選択と集中」が進んだとされる国立大学に対する財政支援について、基盤的経費の大学間配分の実態を明らかにした上で、従来未解明であった基盤的経費を巡る予算編成過程をインタビュー調査により明らかにすることを試みる。
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研究実績の概要 |
2023年度は主に、(1)運営費交付金の政策過程に関する分析、(2)運営費交付金における競争的配分の実施結果に関する分析、の2点を実施した。 まず、(1)運営費交付金の政策過程に関する分析については、論文の投稿および新たなデータの収集を行った。具体的には、2022年度に、分析の対象となる時期の一つ(民主党政権)に関して、政策文書や報道記事等の資料収集、および関係者へのインタビューを実施済であったため、これらに基づいて論文を執筆した(現在投稿中)。また、当該時期の他にも、別の対象時期(第2次安倍政権)について新たにインタビューを実施した。 次に、(1)の分析に関連して実施している(2)運営費交付金における競争的配分の実施結果に関する分析については、国内・国際学会での発表、および論文としての発表を行った。具体的には、前年度から継続して、運営費交付金内の競争的配分である「成果を中心とする実績状況に基づく配分」による各大学の交付額の変動と、その傾向の分析を実施した。この結果は、日本高等教育学会における発表を行った後(5月)、得られたコメント等を踏まえて論文化し、『季刊行政管理研究』に掲載された(12月)。さらに、以上の論文で得られた知見を基に、当該配分における教育・研究・経営面の指標による評価結果と運営費交付金の増減との関係について、新たに分析を行った。この成果は、世界教育学会(WERA)の年次会議において発表した(11月、査読付)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)の政策過程分析に関しては、論文としての発表は当初の計画に比してやや遅れを取っているものの、新たな時期について資料の収集および分析を進めることができた。また、(2)の競争的配分の実施結果に関しては、2022年度に整備したデータの分析結果を論文として発表することができた上、この知見を発展させる分析視点を得、国際学会において発表することができた。以上の内容から、研究課題は概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、大きく以下の3点を計画している。第1に、(1)の政策過程分析に関しては引き続き資料の収集・分析を行い、(2)の競争的配分の実施結果に関しては2023年度に行った学会発表の内容を踏まえて論文を執筆・発表する。第2に、日本学術振興会若手研究者海外挑戦プログラムの支援を受けてUniversity of Twente(オランダ)に滞在し、高等教育機関への資金配分に関する研究指導を受ける。滞在先での学術交流等で得られた知見・コメントを踏まえ、(1)(2)の分析を進展させる。第3に、これらを基にして博士論文を執筆する。
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