研究課題/領域番号 |
22KJ1073
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補助金の研究課題番号 |
22J21568 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分51010:基盤脳科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
望月 祐希 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 消去学習 / 視床 |
研究開始時の研究の概要 |
動物は脅威と周囲の状況とを関連付けて学習することにより、次の脅威を予測し防御反応をとるようになる。一方で脅威のない安全な環境においては一度成立した学習を覆い隠す新たな学習により過剰な恐怖記憶を弱める適応(消去学習)が行われる。先行研究により消去学習には腹側前頭前野がトップダウン的に働いてることが明らかになっているが、その制御を可能にするボトムアップ入力は解明されていない。 本研究では、自由行動下マウスの消去学習中におけるカルシウムイメージングを用いた神経活動記録や光遺伝学的操作を用いた神経細胞群の機能検証などにより、消去学習を制御する視床入力を特定し、その消去学習の制御メカニズムを明らかにする。
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研究実績の概要 |
2023年度は、腹内側前頭前皮質に投射している辺縁視床の神経細胞集団の消去学習中の活動を調べるため、辺縁視床の神経核である結合核と視床背内側核においてそれぞれ吻側と尾側に分けて複数領域のCa2+動態をファイバーフォトメトリー法により同時測定した。具体的には、まず神経細胞のCa2+の濃度を蛍光強度に反映するGCaMPタンパク質をアデノ随伴ウイルスベクターの微量注入によってマウスの標的脳領域に導入し、その直上に光ファイバーを留置した。マウスの回復を待った後に消去学習の行動実験中に光ファイバーを通じて標的の脳領域に光を照射し蛍光を測定した。しかし、測定したデータを解析した結果、以前のファイバーフォトメトリー法による測定で観測された消去学習初期における条件刺激による活動上昇は確認できなかった。灌流固定後に脳切片を作成した結果、GCaMPタンパク質の発現は確認できたことから、構築したファイバーフォトメトリー装置が正常に作動していない可能性があり、今後改善方法を検討する。 次に、消去学習における結合核の役割を探索するために、手がかり恐怖条件づけの消去学習において、条件刺激の呈示の代わりに条件刺激と類似した音刺激を頻回呈示する行動実験系の構築を進めた。その結果、条件刺激を頻回呈示した条件だけでなく、条件刺激と類似した刺激を頻回呈示した条件においても、翌日の条件刺激に対するすくみ行動の頻度が減少するという結果が得られた。今後はこの行動実験中の消去学習中に結合核を観察し、結合核における表象を明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、ファイバーフォトメトリー法による神経活動記録の消去学習前後での活動変化の解析を行ったが、以前の測定で得られていた消去学習初期における条件刺激による活動上昇が確認できなかった。これは、神経核の吻側と尾側という小さい脳領域における活動の比較を行うために、それを実現できる装置を新たに構築したために、その装置が正常に動いていなかった可能性がある。今後、装置の改善方法を検討する。
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今後の研究の推進方策 |
今後の方針としては、光遺伝学的操作によって、視床背内側核から腹側前頭前野に投射する神経細胞群の活性化実験により、機能検証を行う。最終年度であるため、これまでの研究成果を論文にまとめて発表する予定である。
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