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刺激応答性セルロースナノファイバーの定量的な設計方法の確立と高機能医薬品への展開

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ1089
補助金の研究課題番号 22J21868 (2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2022)
応募区分国内
審査区分 小区分40020:木質科学関連
研究機関東京大学

研究代表者

八木田 兼仁  東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードセルロースナノファイバー / エマルション / 表面修飾 / DNP-NMR / 表面自由エネルギー / 逆相ガスクロマトグラフィー
研究開始時の研究の概要

表面修飾を施したセルロースナノファイバー (CNF) は、球状に包み込んだ薬剤を特定の条件で放出する「刺激応答性」を持ち、ターゲットとする部位でのみ薬剤が放出される機能性医薬品への実用化が期待されている。理想の条件で薬剤を放出するためには、薬剤ごとに異なる修飾基を導入する必要がある。しかし、刺激応答性のメカニズムは未解明であり、修飾基を設計するプロセスが場当たり的なものとなっているため、実用化に遅れが出ている。そこで本研究では、界面化学的な手法とシミュレーションを用いてpH・温度変化による不安定化の程度を定量的に評価することで、刺激応答性の発現機構を解明し、CNFを用いた薬剤の実用化を目指す。

研究実績の概要

木材から生産されるナノ材料であるセルロースナノファイバー(CNF)は、表面に導入したカルボキシ基・リン酸基などを足場とする表面修飾が可能である。適切な表面修飾を施したCNFは、球状に包み込んだ薬剤を特定の条件で放出する「刺激応答性」を持ち、ターゲットとする部位でのみ薬剤が放出される機能性医薬品への実用化が期待されている。理想の条件で薬剤を放出するためには、薬剤ごとに異なる修飾基を導入する必要がある。しかし、刺激応答性のメカニズムは未解明であり、修飾基を設計するプロセスが場当たり的なものとなっているため、実用化に遅れが出ている。そこで本研究では、界面化学的な手法とシミュレーションを用いてpH・温度変化による不安定化の程度を定量的に評価することで、刺激応答性の発現機構を解明し、CNFを用いた薬剤の実用化を目指す。
今年度は、修飾基の足場として高いポテンシャルを持つ「リン酸化CNF」について、その表面構造を解析した。CNF表面にリン酸基を導入して得られるリン酸化CNFは、毒性の低い試薬で調製可能であるため、生体材料として利用する際の安全性が高いと考えられている。具体的な研究内容としては、フランス原子力・代替エネルギー庁が所有する実験装置「DNP-NMR」から得られた2次元NMRスペクトルとシミュレーションを併用し、リン酸化CNFの表面におけるリン酸基の分布を同定した。この結果により、修飾基の効率的な導入および刺激応答性の精密なコントロールが達成できる可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

フランスへの留学中、DNP-NMRという最先端の装置でしか得られない貴重なデータを取得し、そのデータを元に国際共同研究として論文執筆を進めているほか、学会における2度の口頭発表により、研究成果の発信を行なったため。以上より、研究活動およびアウトリーチの両面において良好に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

今年度の成果により、セルロースのC6位水酸基をカルボキシ化した「TEMPO酸化CNF」に加え、C6位水酸基をリン酸化した「リン酸化CNF」の表面構造に関する知見を得ることができた。この知見をもとに分子動力学シミュレーションによる解析を実施し、刺激応答性の発現に関わる微視的な現象の解明を目指す。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Evaluating the Emulsifying Capacity of Cellulose Nanofibers Using Inverse Gas Chromatography2023

    • 著者名/発表者名
      Yagita Tomohito、Ito Tomoki、Hirano Takayuki、Toyomasu Takayuki、Hasegawa Sai、Saito Tsuguyuki、Fujisawa Shuji
    • 雑誌名

      Langmuir

      巻: 39 号: 12 ページ: 4362-4369

    • DOI

      10.1021/acs.langmuir.2c03369

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 逆相ガスクロマトグラフィーから求めたセルロースナノファイバーの表面自由エネルギーと乳化能の関係2023

    • 著者名/発表者名
      八木田 兼仁、伊藤 智樹、平野 孝行、豊増 孝之、長谷川 菜、齋藤 継之、藤澤 秀次
    • 学会等名
      第90回紙パルプ研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] セルロースナノファイバーの表面特性と乳化能の関係2023

    • 著者名/発表者名
      八木田 兼仁、伊藤 智樹、平野 孝行、豊増 孝之、長谷川 菜、齋藤 継之、藤澤 秀次
    • 学会等名
      セルロース学会第30回年次大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] セルロースナノファイバーの表面自由エネルギーが乳化能に与える影響2022

    • 著者名/発表者名
      八木田 兼仁、齋藤 継之、藤澤 秀次、平野 孝行、豊増 孝之、長谷川 菜
    • 学会等名
      セルロース学会第29回年次大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Surface Free Energy of Cellulose Nanofibers obtained from Inverse Gas Chromatography and its Effect on Emulsifying Capacity2022

    • 著者名/発表者名
      Tomohito Yagita, Tsuguyuki Saito, Shuji Fujisawa, Takayuki Hirano, Takayuki Toyomasu, and Sai Hasegawa
    • 学会等名
      5th EPNOE Junior Scientist Meeting 2022
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-04-28   更新日: 2024-12-25  

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