研究課題/領域番号 |
22KJ1112
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補助金の研究課題番号 |
22J22392 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 優 東京大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2024年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2023年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2022年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 京都学派 / 高坂正顕 / 世界市民 / 歴史哲学 / 反共思想 / デモクラシー / 広報外交 / USIS / カント / カント平和論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は教育における「国家―市民―道徳」の枠組みのなかに、京都学派の哲学者である高坂正顕を位置づけることを通じ、高坂を再評価、再批判の両側面から再検討することにある。 高坂は民族や世界について戦前、戦後をつうじて思想を展開した。 戦前における「民族の哲学」は民族と世界の相互作用を重視した。戦後にはカント平和論のうち世界市民に着目している。世界市民は国家の公民であると同時に世界共和国の世界市民であることを解釈の中心に据えた。 本研究では高坂の思想における国家と市民の緊張関係、戦後の道徳教育思想とのつながりをあきらかにする。
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研究実績の概要 |
採用2年度目である2023年度は、博士課程における研究課題の達成に向け、前年度の課題に加えて新たに次の2つの小課題に取り組んだ。 1)高坂正顕の思想における「世界」概念の解明 戦前の「歴史的世界」、戦中の「世界史の哲学」、戦後の「世界公民」解釈に代表されるように、高坂の思想は「世界」概念を重視していた。それぞれの時期のあいだでの「世界」概念の共通項や差異に関して、従来の研究において未検討の著作を含め、解明することを試みた。上記の研究内容については、教育哲学会第66回大会で発表した。 2)日本文化フォーラムと高坂正顕 本課題の目的は、高坂が中心人物として参与した日本文化フォーラムに着目し、その親組織とされる文化自由会議との、文化的自由の保護への姿勢における違いを検討した。これは、日本文化フォーラムの前身団体が、先行研究において、進歩的知識人が見逃した可能性として検討されていたことに続く研究となる。上記の研究内容については、研究科主催の国際学術会議で発表したほか、学会誌への投稿を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
日本文化フォーラムへの着目は、当初の計画にはなく新たに創出された課題であり、同時に博士課程における研究課題を大きく前進させるものであった。
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今後の研究の推進方策 |
採用最終年度である2024年度は、博士論文の執筆に向けてこれまで取り組んできた課題の学会誌への論文掲載を中心に研究に取り組む。
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