研究課題/領域番号 |
22KJ1133
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補助金の研究課題番号 |
22J22712 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小原 和馬 東京大学, 数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | p-進群の表現論 / Hecke環 / type / Bernstein block / 局所Langlands対応 / 整数論 / p-進群 / 群の表現論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではtypeの理論を用いてp-進群の表現論についての理解を深めると同時に,それらの成果を局所Langlands対応をはじめとする整数論の諸問題へと応用することを目標とする.本研究で主に扱うのはKim-Yu typeというtypeである.本研究ではすべてのKim-Yu typeに対して,それに付随するHecke環が,ある捩れLevi部分群のdepth 0のtypeに付随するHecke環と同型であるという主張を証明することを試みる.またこの結果を応用することで,局所Langlands対応をdepth 0の場合に帰着し,その対応を明示的に記述するという研究も行う.
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研究実績の概要 |
本年度は昨年度に引き続き,本課題の主要な目的の一つであるKim-Yu typeに付随するHecke環の記述についての研究を推し進めた.昨年度までの研究において,任意のKim-Yu typeに付随するHecke環に対して,深度0のHecke環と同様の生成元と関係式による記述を得ていた.本年度はさらに,与えられたKim-Yu typeに対してある深度0のtypeが存在し,それらに付随するHecke環が同型であるという結果を証明することに成功した.この結果から,剰余標数pが十分に大きい場合には,任意のBernstein blockがある深度0のBernstein blockと同型であるという結果を得る.この結果は,typeの理論やHecke環の計算を用いることでp-進群の表現論の理解を深めるという,本研究の目的の一つの例となっている.またKim-Yu typeの状況においては満たされる公理を定義し,その公理のもとで同様のHecke環の同型が得られるということも証明した.この公理は正標数係数の表現を含むものであり,整数論への応用の観点から重要である.さらにいくつかの具体的なtypeに対して,付随するHecke環の構造の計算を行った.これらの計算は非自明な2-cocycleを持つ捩れ群環が現れるなど,重要で興味深い例となっている. これらの結果はJeffrey Adler, Jessica Fintzen, Manish Mishraとの共同研究である.現在これらの結果を論文としてまとめている最中であり,完成し次第ジャーナルへと投稿する予定である.また,これらの結果について国内外で講演を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度はすべてのKim-Yu typeに対して,それに付随するHecke環が,ある捩れLevi部分群のdepth 0のtypeに付随するHecke環と同型であるということを完全に証明することに成功した.これは本研究の主要な目的であった.また公理的な設定で議論を行ったことにより,当初予定していたよりもより広いクラスのtypeに対してHecke環の同型を証明することができた.
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究で得られた結果を表現論や整数論に応用するということを試みる.特にHecke環の同型を用いることで局所Langlands対応をdepth 0の場合に帰着するという方向の研究を推し進める.またHecke環のより良い記述を得ることについても試みる.Kim-Yu typeのHecke環について,Bernstein表示と類似の記述を得ることや,べき単表現のHecke環との同型を証明することなどが主な目標である.
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