研究課題/領域番号 |
22KJ1199
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補助金の研究課題番号 |
21J40155 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
加嶋 祐佳 (2021, 2023) 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特別研究員(RPD)
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特別研究員 |
加嶋 祐佳 (2022) 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特別研究員(RPD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 835千円 (直接経費: 642千円、間接経費: 192千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 顎義歯 / 3Dプリンター / 3Dプリンター / 積層造形 / インクジェット式3Dプリンター |
研究開始時の研究の概要 |
無歯顎患者において顎義歯は義歯床・人工歯・中空塞栓部から構成され、製作には構成要素に応じて硬度や色調の異なる複数材料が使用される。しかし、現状の3Dプリンター技術では単一材料しか適応できないため、顎義歯の一構成要素のみの造形に留まる。さらに別々に製作した構成要素の接合作業が要され、接合部からの細菌の侵入による誤嚥性肺炎への感染源となることも懸念される。そこで、本研究ではマルチマテリアル積層造形技術を用い、患者個々の口腔内環境に応じた複数の材質およびそれぞれの使用領域の選択をした上で顎義歯の一体化造形を行うことで、製作過程の簡便化および高精度・高機能化を実現した顎義歯の製作手法を確立を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究ではデジタル技術を用いた顎義歯製作プロセスの最適化を目指し、インクジェット型3Dプリンターを用いた義歯床と人工歯の異種材料間の接着強度やインクジェット粉末材料の吸水性等を評価する実験を実施した。ISO 規格 19736 に準じたせん断接着試験用に設計したデジタルデータを用いて人工歯と義歯床を一体で製作した。ストラタシス社製インクジェット3Dプリンターを用いて、人工歯部と義歯床部を同時造形した。また、対照群として通法通り埋没、填入、じゅごうして製作した試料を用意した。製作した試料のうち半分は5℃と55℃のサーマルサイクルを10000回負荷した。続いてせん断試験に供した。サーマルサイクル前は、既存手法と比較して低い接着強度を示したものの、サーマルサイクル後はデジタル技術を用いた方が従来法より有意に高い接着強さを示した。破壊様相は、デジタル技術を用いた手法では凝集破壊および混合破壊が認められ、対照群は全て混合破壊であった。これらの結果より、インクジェット型3Dプリンターを使用し、一体型造形で製作した人工歯と義歯床は従来法より高い接着強度を示し、顎義歯の高機能化に寄与する手法であることが示唆された。しかしながら、吸水性の評価結果では、デジタル技術群では対照群より有意に悪い結果となったため、今後粉末の改良が必要であることが示唆された。そこで歯科補綴に適した生体親和性と強度を有する国内未承認の粉末を用い、顎義歯の製作に成功している。今後どう粉末性状を評価していく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
産休育休後でライフスタイルの変化はあったが、アメリカ国内のストラタシス社との交渉など積極的に取り組み新規材料の評価や顎義歯造形に取り組めたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後新規粉末材料での顎義歯製作や基本物性評価を行っていく予定である。
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