研究課題/領域番号 |
22KJ1211
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補助金の研究課題番号 |
22J40181 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
吉森 真由美 東京医科歯科大学, 輸血・細胞治療センター, 臨床検査技師
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 慢性活動性EBウイルス感染症 / マイクロRNA / miR-BARTs / 核酸医薬 / アンチセンスオリゴヌクレオチド / Epstein-Barr virus / 次世代シーケンサー |
研究開始時の研究の概要 |
慢性活動性EBV感染症 (CAEBV) は致死的経過をとるEBV陽性T, NK細胞腫瘍で、造血幹細胞移植が唯一の根治療法である。希少疾患とされてきたが、2015年の本邦での診断基準の作成、公開と、2017年のWHO造血器腫瘍分類への記載により世界的に報告数が増えており、発症機構解明と治療薬開発が急務である。EBV由来マイクロRNAであるmiR-BARTsは病態形成への関与が示唆されるがEBV感染T, NK腫瘍細胞での機能は未解明である。本研究では、CAEBV発症におけるmiR-BARTsの役割に着目した研究を行う。
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研究実績の概要 |
EBV陽性T, NK細胞腫瘍である慢性活動性EBウイルス感染症 (CAEBV) は治療抵抗性を示し、病態解明および新規治療法の開発が望まれている。EBVゲノム上にはマイクロRNAのコード遺伝子としてBARTが存在し、40種類のmiR-BARTsを産生する。miR-BARTsは腫瘍進展への寄与が示唆されている。本課題では、miR-BARTsに着目したCAEBVの発症機序解明および治療法の開発を行う。 CAEBVのEBV感染腫瘍細胞で突出して発現の高いmiR-BART7-3pの機能をmirVana miRNA Inhibitorを用いたノックダウン実験により明らかにした。しかしながら、miR-BART7-3pをノックダウンしても細胞増殖抑制あるいはアポトーシス誘導効果は認められず、その抗腫瘍効果は限定的であった。一方、miR-BARTsを網羅的に抑制するアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)をCAEBVのEBV感染腫瘍細胞に導入すると、細胞増殖抑制、アポトーシス誘導効果および免疫反応関連遺伝子の発現亢進が認められた。以上の結果より、複数のmiR-BARTsが協調して細胞増殖と宿主免疫の調整に働くことが示唆された。本解析結果について、2024年度に学会発表すべく準備を進めている。 miR-BARTsを標的とした新規治療薬開発として、2022年度から、AMED難治性疾患実用化研究事業「新規核酸医薬を用いた難治性血液疾患の病態解明」(代表研究者 新井文子)に分担研究者として参加している。より特異的に、高効率に作用するASOを作成するべく開発を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的である、ウイルス由来マイクロRNAによるCAEBV発症機序の一端を明らかにした。miR-BARTsを網羅的に抑制するASOは新たな治療薬候補として期待される。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に則り実行する。最終年度は、より特異的に、高効率に作用するASOの開発に注力し、モデルマウスを用いたin vivoでの解析により、詳細な抗腫瘍効果および安全性の検証を行う。
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