研究課題/領域番号 |
22KJ1250
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補助金の研究課題番号 |
22J22176 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 大阪大学 (2023) 東京農工大学 (2022) |
研究代表者 |
原 惇也 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ランダムモデルのためのサンプリング定理 / 多チャネルモデルのためのサンプリング定理 |
研究開始時の研究の概要 |
グラフ信号処理では,グラフ信号モデルにもとづいて最適なサンプリングおよび復元の方法が決定される.また,それらに関わるアルゴリズムの実行速度は一般にデータサイズに強く依存する.したがって,グラフ信号のための一般化サンプリング(一般化グラフサンプリング)定理を構築する上で特に重視すべき要素は,グラフ信号のモデルとグラフの頂点数に対する「柔軟性」である.そこで, 問題 1:任意のグラフ信号モデルに適応したサンプリング, 問題 2:超大規模なグラフ信号に対応したサンプリングに関する研究を行う. 実験においては,シミュレーションおよび実データを用いて復元性能を既存手法と比較し,提案手法の有効性を示す.
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研究実績の概要 |
グラフ信号は決定的モデル,ランダムモデル,スパースモデルに大別される.従来のグラフ信号のサンプリングでは,それらの特別な場合として,帯域制限モデルが考えられていた.実際に想定されるモデルはこれに限らないため,実応用に現状遠く及ばない.そこで,1)実データに即した様々なグラフ信号モデルに柔軟に適応できるように拡張した一般化グラフサンプリング定理の構築について取り組み,遂行した.具体的には,信号処理分野のトップ論文誌(IEEE Transaction on Signal Processing)にランダムモデルのための一般化サンプリング定理に関する論文が採録された.また,同分野の新興のオープンアクセス論文誌(IEEE Open Journal of Signal Processing)に,ここまでの成果を多チャネルシステムに拡張した論文が採録された.多チャネルサンプリングはスパースモデルを表現するために必要なモデルとなる.上述の成果と前年度までの事前検討と合わせ,表現可能なグラフ信号モデルはほぼ網羅したといえる.当該理論を確立したことにより,実世界に遍在するIoTデータに対して効率的に解析可能するための基盤が整備できた.今後は,2)当該理論のセンサネットワーク,スマートグリッド,グラフニューラルネットワークへの応用に取り組む.具体的には,上記のようなモデルベースのサンプリングおよび復元を凸最適化問題として定式化し,グラフニューラルネットワークと合成し実データからグラフ信号モデルを学習する.そして,データ駆動型とモデルベースの両者の利点(実データへの適応可能性とグラフ信号のドメイン知識)を活用したend-to-endのサンプリングパラダイムを構築する.そして,センサネットワークやスマートグリッドに応用し,当該理論の有効性を検証する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究成果として,信号処理分野のトップ論文誌(IEEE Transaction on Signal Processing)にランダムモデルのための一般化サンプリング定理に関する論文が採録された.また,同分野の新興のオープンアクセス論文誌(IEEE Open Journal of Signal Processing)に,ここまでの成果を多チャネルシステムに拡張した論文が採録された.前年度までの事前検討と合わせ,表現可能なグラフ信号モデルはほぼ網羅したため,現在の進捗は計画どおりに進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,圧縮センシングの文脈で検討されている高速なサンプリング手法をグラフ上の信号へ拡張し,数千万頂点以上のグラフで動作可能なサンプリング手法を考案する.次に,サンプリングおよび復元を凸最適化問題として定式化し,グラフニューラルネットワークと合成することで,実データからハイパーパラメータを学習する.そして,データ駆動型とモデルベースの両者の利点(実データへの適応可能性とグラフ信号のドメイン知識)を活用したend-to-endのサンプリングパラダイムを構築する.そして,センサネットワークやスマートグリッドに応用し,当該理論の有効性を検証する.本研究に関して助言を仰ぐため,当該分野の第一人者であるYonina Eldar教授が在籍するワイツマン科学研究所(イスラエル)で,Eldar教授と共同研究を行う.
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