研究課題/領域番号 |
22KJ1258
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補助金の研究課題番号 |
22J21824 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
居原田 遥 東京藝術大学, 国際芸術創造研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2024年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | アート・アクティビズム / ミャンマークーデター以降の芸術 / タイ深南部 / 芸術実践研究 / アジアの文化芸術 / ミャンマークーデターとアート / 沖縄の文化芸術 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、グローバル化を前提とする東南アジアと日本という場を横断的に活動するアーティストが、「アジア」を軸に自身の文化的アイデン ティティを構築し、どのように表現に反映するのかについて、アートの実践を伴うケーススタディを分析することで、アジアの現代美術におけ るグローバル化の実態について考察する。具体的には、1 ミャンマーで起きたクーデターをめぐる文化的実践の展開を分析するアーティスト との協働や展覧会の開催、2「Deep South」というアイデンテイティへの考察のために沖縄とタイ深南部のアーティストの共同事業の実施を実 践研究・ケーススタディとして研究者自らが行い、その過程と動向を分析する。
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研究実績の概要 |
当該年度は研究計画に基づき、調査を進め、1.国際学会等での報告・発表、2.実践研究の成果発表、を研究実績として位置付けている。1.国際学会等での報告・発表:調査を踏まえながら、研究の進捗報告として、アジアのカルチュラルスタディーズの国際学会で発表を行なった("Can we find Common in resistant “democratisation”?", IACS 2023 14th Biennial Conclave, アフマダバード大学, 2023年7月)。また同学会が主催する研究会においても研究報告を行なった。(“ What's Happening between resistance and its goals: Looking at the "some troubles" with art in Asia in the post-democrtic era.”, Art Activism and Commoning In Asia―Commoning Asia and Beyond the Cluster Monthly Talk #2, ZOOM開催, 2024年4月)。また、国際的な学術会議のシンポジウムに登壇し、博士研究に基づく発表を行なった。(「沖縄は東アジアの触媒になり得るのか」、東アジア日本研究者協議会国際会議第七回大会、2023年11月、東京外国語大学)。2.実践研究の成果発表:研究の実践的な成果発表として、研究対象である「2021年にミャンマーで起きたクーデター以降、同事態に呼応する文化的な実践」を紹介する展覧会を企画し、実施した。(企画事業名「当意即妙―芸術文化の抵抗戦略」展、京都芸術センター、2024年1月から2月)。上記の研究報告や実践研究の成果発表の機会を踏まえ、研究者や芸術家等からフィードバックを得ることに成功している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の当初計画としては、①ミャンマークーデター以降の文化的な実践、②タイ深南部の芸術実践や展開について、自らが対象と芸術実践の分野で関わるかたちで参与観察などの調査を進めることを想定し、国外地域での長期的な調査活動を想定していた。 しかし、研究調査の対象である①ミャンマークーデター以降の文化的な実践、②タイ深南部の芸術実践や展開に関しては、双方の地域の政治情勢の緊迫や変化に伴い、当初予定していた現地に滞在しながら行う調査活動、あるいはインフォーマントとの接触を含む参与観察の実行が安全上困難となったり、時間がかかることが多い。そのため当初は同国・地域現地での調査に比重をおいていたが、日本国内での展開やオンライン上での展開等に対象を変更しつつ、またそうした状況下における研究調査の方法や対象の議論の立て方などの考察を研究自体に取り入れて進めている。そうした研究方法への模索や工夫も含めて重要な論点だと認識しており、対象の分析や調査は概ね進捗しているといってよいと認識している。 上記を前提としながらも、研究対象への参与観察やインタビュー等の調査は当初計画通りに順調に進み、最終年度に際しては、研究成果のまとめとなる博士論文の執筆段階を迎える状況にある。また、対象の分析や調査だけでなく、理論的枠組の設計に関わる先行研究の把握等においても、2年目には、研究会や国際会議等に積極的に参加したこともあり、順調に整理されつつあると認識している。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度に関して、前期(4月から8月)には引き続き調査活動として3点の調査、1.沖縄県など日本国内で展開するミャンマークーデター以降の文化実践、2.タイ・メーソット地域のおけるミャンマーの一時的避難民の文化的実践の実態、3.タイ深南部の芸術実践や展開、を進める。そのため日本国内(沖縄、東京)での調査や、国外(タイ)での滞在型の調査・参与観察を予定している。また同時に博士論文執筆のための理論的枠組の設定た先行研究の整理を行う。後期にあたる9月以降は、全ての調査を踏まえ、研究論文の執筆に取り組む予定である。
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