研究課題/領域番号 |
22KJ1262
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補助金の研究課題番号 |
21J00349 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
猪崎 優喜 東京工業大学, 理学院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ランダウ準位 / 量子振動 / k.p / トポロジカル物質 / スピン軌道結合 / Te / k.p理論 / トポロジカル相転移 / ディラック電子系 / k・p理論 |
研究開始時の研究の概要 |
相対論効果(スピン軌道結合)による異常な物性は幅広い分野に存在する.近年注目を集めているトポロジカル物質は相対論効果が本質を担っている.また,長年の課題である隠れた秩序の問題の解決策としても相対論効果が注目されている.相対論効果を理解することは幅広い分野を統一的に理解することにつながる.相対論効果を理解する方法の一つが磁場をかけ,その応答をみることである. 本研究では,独自の手法による精緻な磁場中エネルギー計算による新奇物性探索を行う.また,相対論効果を通し,波動性をもつ遍歴電子系と粒子性をもつ局在電子系とのつながりを明らかにし,分野を横断した理論体系の基礎を構築することを目指す.
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研究実績の概要 |
昨年度までの研究で,ノンシンモルフィックな対称性を持つ物質での速度演算子の対称性の破れを示し,修正された速度演算子による摂動論的解決策を提案した.今年度は昨年度までの対象物質Teだけでなく,その他の対称性を持つ物質でも同様の手法が適用可能かを確認した. 1. 最初にTeと同じ空間群で複数のワイコフ位置における簡易的な模型を作成し.速度演算子の計算で元々のハミルトニアンが持っていた対称性が崩れるか確認した.次に他の空間群でも同様に模型を作成し,速度演算子の対称性についての議論を行なった.複数の対称操作でunit-cell間の移動がある場合等では,修正された速度演算子による解決ができないことが明らかになった.また,速度演算子の対称性の破れはノンシンモルフィックな空間群に限らず,シンモルフィックな空間群でも起こりうることが分かった. 2. 1の調査で複数の対称操作でunit-cell間の移動が発生する場合,修正された速度演算子での対処が困難であることが分かった.この問題に対して,我々はハミルトニアンのゲージに着目した.いくつかの空間群で簡易的な模型を作成して調査した結果,元々のハミルトニアンで適切なゲージを選択することにより,速度演算子が元々のハミルトニアンが持っていた対称性を保持することが分かった.対称操作が螺旋1つのみの場合は適切にゲージや軸を取ることで速度演算子の対称性の破れを回避可能であることを明らかにした.また,この方法はハミルトニアンのゲージを適切に変えるだけで良いことから,非摂動な解決策である. 3. 複数の対照操作を伴っている場合も2と同様に簡易的な模型を作成し,速度演算子の対称性について調査した.2の場合と同様に適切なゲージをとることで多くの場合対処可能であることが分かった.ただし,回転軸と並進方向が異なる場合には,対称性が崩れる可能性があることを明らかにした.
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