研究課題/領域番号 |
22KJ1350
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補助金の研究課題番号 |
20J40140 (2020-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2020-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 東京大学 (2022-2023) お茶の水女子大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
小原 優貴 (2020-2021, 2023) 東京大学, グローバル教育センター, 准教授
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特別研究員 |
小原 優貴 (2022) 東京大学, グローバル教育センター, 准教授
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 就学前教育 / インド / 教員養成 / 学習観 / 構成主義 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、先進諸国においても教育の質的転換を図る目的で積極的に取り入れられ、教育改革の国際潮流となっている構成主義の学習観が、インドの教育にどのように導入され、どのような変容をもたらしているのかを解明する研究である。持続可能な開発目標(SDGs) の達成に向けて国際社会が就学前教育の拡大・改善に向けて取り組む中、インドの就学前教育の実態を、 質改善の重要な役割を担う教員の資質や力量形成に着目して解明する本研究の成果は、途上国の教育研究者や地域研究者、インドの関係機関はもちろん、就学前教育分野の国際教育協力に取り組む国際機関、政府機関、大学関係者にも示唆を与えることが期待される。
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研究実績の概要 |
最終年度はインド国家教員養成カウンシルが認可する教員養成機関のうち保育士・幼稚園教諭に必要なディプロマを提供するデリーの教員養成機関39校を分析し、多くが2000年代前半に設置された民間の機関であることを確認した。一方、21機関についてはホームページ(HP)情報が確認できず、専門家へのヒアリングの結果、インドでは就学前教育に特化したディプロマの取得を不問とする保育施設・幼稚園が少なくなく、ディプロマの需要不足により閉鎖された教員養成機関があること、HPのない機関については実態がない可能性がある点が指摘された。 現地調査(2023年6月)では、インド女性子ども開発省管轄下のアーンガンワーディー、同施設の教材開発・教員養成を支援するPratham(NGO)、国立大学ジャミアミリアイスラミア(JMI)のEarly Childhood開発研究センターを訪問した。 訪問したアーンガンワーディーでは、低所得者層(デリー以外の州からの出稼ぎ労働者を含む)の子どもを対象とする遊び中心の学習が徹底されており、加えて外国の支援団体からの資金援助を受けてタブレットを活用した学習が試験的に実施されるなど、活動型の教育が展開されていた。また家庭教育の充実を図るため、保護者(とりわけ母親)を対象とする参加型の集会が定期的に実施されていた。 アーンガンワーディーに関する先行研究の多くは同施設における教育の不在を指摘しているが、今回の調査結果では、都市の公立保育施設が多様な支援組織の協力を得て、構成主義に基づく教育を展開していること、その対象範囲が低所得者層の子どものみならず保護者を含む地域全体に拡大していることを確認した。またJMIの修士課程修了者は、インド女性子ども開発省、NGO等に就職し、就学前教育施設の現職教員の育成・指導を担っており、就学前教育の質向上において重要な役割を果たしていることを確認した。
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