研究課題/領域番号 |
22KJ1380
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補助金の研究課題番号 |
21J20641 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
地主 純子 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 会計情報 / 株式市場 / 決算短信 / 情報開示 / ディスクロージャー / 株価反応 |
研究開始時の研究の概要 |
決算短信は、企業が公表する、誰もが無料で入手可能な業績情報である。従来、こうした情報はコストをかけずに利用可能であると考えられてきたが、決算短信の分析には、時間や金銭、労力等のコストがかかるという見方が最近普及してきた。本研究では、近年、決算短信の公表に対する株価反応が上昇していることを背景に、こうしたコストが決算短信に対する株価反応にどのような影響を与えているのかを調査し、決算短信でどのような情報を開示するべきか明らかにすることを目的としている。特に、株主構成や、決算短信の簡素化、決算短信と同時に公開される情報の影響、決算短信と株価反応の関係性が企業行動に与える影響について調査を行う。
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研究実績の概要 |
2021年度の研究では、日本において決算短信公表日の市場反応が増加していることを明らかにした。2022年度は2021年度の成果を踏まえて、日本において決算短信公表公表日の市場反応が増加している理由や、決算短信で公表される利益情報の有用性に踏み込む研究を行った。2023年度は、決算短信公表日の市場反応増加の原因を明らかにし、The Japanese Accounting Reviewへ論文を掲載した。 具体的には、2023年度の研究では、利益公表後に株式市場が利益情報を徐々に織り込む利益公表後ドリフト(Post Earnings Announcement Drift;以降PEADと表記する)に注目した。投資家の情報を処理する能力には限界があるため、利益が公表されたとしてもその情報が即座に株価へ反映されるわけではない。本研究では、近年のテクノロジーの発達によって、投資家が情報処理を行う能力が向上し、株式市場は即座に決算短信の情報を株価に織り込むことが可能になったと考えた。分析の結果、情報処理応力が特に向上していると考えられる外国人投資家に保有されている銘柄において特にPEADが減少していることが明らかになった。また、PEADが減少している銘柄において、決算短信公表日の株価反応は増加していることが明らかになった。これらの結果は、近年の日本市場では、投資家の情報処理能力が向上しているため、即座に情報が株価へ織り込まれていることを示唆している。
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