研究課題/領域番号 |
22KJ1399
|
補助金の研究課題番号 |
21J20684 (2021-2022)
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
田村 成 横浜国立大学, 理工学府, 特別研究員(DC1)
|
研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | ハイブリッド回路 / Magic-T / ヌル走査 / アレーアンテナ / メタサーフェスアンテナ / ビーム走査 / 方向推定 / 移相器 / メタサーフェス / 位置推定 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者はこれまでに、アンテナ動作周辺領域(近傍界)に金属細線を配置することによる電気的な変化を通してアンテナ特性が改善されることを示した。本研究では近傍界を制御する人工周期構造物-メタサーフェス-を応用し、その特異性に着目したアンテナの小型化と高精度化に関する研究を遂行する.更に、提案手法を幅広く適用するために、メタサーフェスの特性変化を明確にし、設計理論を一般化する。上記研究項目を通して無線通信の近い未来に要求される新しい高機能アンテナを創り出す。
|
研究実績の概要 |
小型アレーアンテナを方向探知向けに高精度化する際,電波を特定角度方向のみ放射しない「ヌル点」を活用することが有効である.これを実現するために,従来は振幅制御を伴うアンテナシステムが必要であった.本研究はこれを排除したアンテナシステムを提案している.メタサーフェスを用いたヌル形成精度の高精度化に成功した一方,ヌル走査精度の高精度化に必要な移相器に関する課題が残されていた.
当該年度前半は,前年度から継続して高精度移相器の開発に取り組んだ.マイクロ波回路基本素子であるMagic-Tが周波数に依存しない特性を得ることに着目し,高精度移相器の理論実証を進めた.その成果として,Magic-Tの既存設計手法を使わずに,新たな回路構成を提案することで,比帯域幅特性を29%から46%に拡大することに成功した.一連の研究成果は,IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniquesに昨年度末掲載された.
当該年度後半は,研究成果の取りまとめとして,ヌル点を走査する上で必要な高性能アレーアンテナと高精度移相器を組み合わせた方向探知アンテナを製作し,特性評価を行った.走査角度45度以内で,30 dBのヌルを形成することに成功し,その角度誤差は5度程度になった.これは,前年度に評価したヌルの理論特性と同様の傾向となり,計算結果と実測精度の一致を確認した.研究成果は,昨年度末に開催されたEuropean Conference on Antennas and Propagationにて発表済みである.以上の研究を通じて,アレーアンテナの小型化と高精度化を果たすアンテナ構成と移相器構成を新たに提案でき,十分な成果が得られた.
|