研究課題/領域番号 |
22KJ1400
|
補助金の研究課題番号 |
21J22690 (2021-2022)
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
段野下 宙志 横浜国立大学, 理工学府, 特別研究員(DC1)
|
研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | 鉄鋼材料 / マルテンサイト / 転位 / 中性子回折 / 変形 / 疲労 / 加工硬化 / 組織制御 |
研究開始時の研究の概要 |
構造用鋼材では、軽量化や安全性確保に向けた高強度化が求められている一方で、金属疲労に対する強さを向上することも重要である。本研究では、量子線回折技術を駆使して得られる鉄鋼材料の微視組織に関する定量情報をもとに、熱処理ならびに変形中の微視組織の発達挙動の定量解析を主たるアプローチとしている。得られた定量情報をもとに、高疲労強度フェライト-マルテンサイト鋼の新たな設計指針へと導くことを目的とする。
|
研究実績の概要 |
昨年度までに、鉄鋼マルテンサイト組織中における転位の配列や性格などの密度以外の転位特性の強度への寄与を明らかにしてきた。本年度の研究ではそれらの因子の疲労変形中における変化挙動について調査し、繰返し変形過程において転位下部組織の変化が完了するまでの素過程を調査し、疲労強度に対する転位強化の寄与について明らかにした。また、本研究を通じて転位特性に基づいた改良型の金属材料における強度モデルを発表した。このモデルでは、マクロな強度に及ぼす転位の密度以外の転位特性(配列や性格など)の影響を定量化するものであり、実験結果をもってこのモデルの正当性が主張された。以上より材料強度設計において転位特性を考慮に含めることが可能ととなったともに、必要とされている転位特性の定量化の手法(=量子線ラインプロファイル解析)の意義も改めて強調された。 さらに今年度は、二相組織設計に対して、変形によって発達・形成した転位組織の役割を調査した。具体的に、量子線ラインプロファイル解析を用いて二相冷延鋼板における熱処理前の初期組織の特徴付けを行い。高強度二相鋼の組織設計の最適化に向けたフィードバックを目指した。中性子線および電子線を用いたマクロおよびミクロ解析を行い、焼鈍中のミクロ組織形成挙動に及ぼす加工熱処理プロセス(熱間圧延、冷間圧延、焼鈍)における冷間圧延後の転位特性の影響を明らかにした。特に、優れた機械特性が期待される微視組織(等軸・微細なフェライトと微視組織中に均一分散したマルテンサイト)を得るためには、焼鈍前の転位密度を高めるだけでなく、転位組織における転位のセル化が有用であることを示した。
|