研究課題/領域番号 |
22KJ1421
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補助金の研究課題番号 |
22J10252 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 総合研究大学院大学 |
研究代表者 |
山本 由梨 (2023) 総合研究大学院大学, 文化科学研究科, 特別研究員(DC2)
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特別研究員 |
山本 由梨 (2022) 総合研究大学院大学, 文化科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2024年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2023年度: 256千円 (直接経費: 256千円)
2022年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 文部省美術展覧会 / 美人画 / 女性画家 / 消費文化 / 婦人雑誌 / 美術史 / 近代日本美術 / 百貨店 |
研究開始時の研究の概要 |
近代日本における女性と美人画の関係性を検証し、女性による美人画の「制作」と「鑑賞」、およびそれらと「美容」の関連を明らかにする。受容史的・文化史的な観点による分析を通じて、女性が美人画という文化の担い手となっていたことを示したい。美人画をめぐる制作と鑑賞、美容は相互に作用する関係にあり、その結果、美人画を介した女性たちの文化圏ともいえる構造が形成されたことを明らかにする。
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研究実績の概要 |
明治・大正期に美人画を描いて活躍した女性画家・池田蕉園の文展出品作《髪》(東京国立博物館所蔵)に関する考察を論考にまとめ、東京国立博物館研究誌『MUSEUM』に掲載した(山本由梨「池田蕉園「髪」についての一考察-浮世絵学習と「元禄模様」との関係から-」『MUSEUM』708号、2024年)。本稿では、《髪》の造形的特徴を、池田蕉園の浮世絵学習の側面から考察し、また、描かれた画中の女性が身に纏う衣装から、本作品が三越が流行させた元禄模様の影響下に描かれたものであることを指摘した。 また、文展期の美人画と婦人雑誌の関係についても考察を進め、明治美術学会で発表した内容の要旨をまとめ、明治美術学会学会誌『近代画説』に掲載した(山本由梨「文展期における女性の美術趣味と美人画」『近代画説』32号、2023年)。美人画と婦人雑誌の関係については現在も検証を続けており、論考にまとめている。 さらに、文展期に描かれた美人画と百貨店の消費文化の関係についても調査を行なっており、三越が発行したPR誌を中心に分析を進めている。今後は、具体的な事例として美人画の作品を検証しながら、消費文化との関連について明らかにしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
池田蕉園《髪》に関する論考を発表できた一方で、昨年度から取り組んでいる、美人画と婦人雑誌の関係に関する検証については、論考にまとめながらもまだ発表できておらず、今後の課題となっている。また、百貨店の消費文化と美人画の関係についての検証についても作業を続けているが、本件についても論考にまとめ発表の機会を持ちたい。
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今後の研究の推進方策 |
美人画と婦人雑誌の関係に関する検証については、早急に雑誌などに投稿し、成果を発表したい。美人画と消費文化の関係性については、池田蕉園などの文展出品画家の作品の調査を進め、具体的な作例をあげながら分析を行いたい。
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