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地域に根付く野生動物の餌付けガバナンスにむけた生態学・社会科学的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ1422
補助金の研究課題番号 22J10522 (2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2022)
応募区分国内
審査区分 小区分64040:自然共生システム関連
研究機関総合研究大学院大学

研究代表者

高畑 優  総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード都市生態学 / 餌付け / 半構造化インタビュー
研究開始時の研究の概要

野生動物の餌やり(餌付け)の社会的管理にむけて、餌付けに関する生態学調査と社会科学調査を実施する。
餌付けがもたらす動物への影響を明らかにするため、日常的に餌付けされるリスを対象に調査する。餌付けがもたらすリス集団の社会構造の変化の追跡、およびもたらされる個体の繁殖成績の違いと集団の遺伝的構造への影響を評価する。得られた生態学的影響の成果をアウトリーチを通じて市民に共有することで、餌付け管理における情報共有(環境教育)の有効性を検証する。また、市民インタビューを通じて餌付けに対する意識や態度を調査することで、人間社会における餌付けの文化的・経済的価値や行為の動機について明らかにする。

研究実績の概要

野生動物への餌付けは、世界各地で見られる人の野生動物との関わりである。一方で、餌付けは野生動物との多様な軋轢(例:過度な人馴れや人獣共通感染症の蔓延リスクなど)をもたらすことから、世界的に規制され始めている。我が国においても、各地方自治体において餌付けを規制する条例があるものの、人々は継続して餌付けをしている。法に代わる餌付けを防止する手段として環境教育が期待されているものの、「生態系や野生動物に対して餌付けがどのような影響を持つのか」という生態学的根拠の蓄積が未だ不十分であることに加え、「なぜ人々は餌付けをするのか」という人間・社会的側面の理解が乏しい。そのため、餌付けを規制する・防止する方策の目処は立っていない。
これらの問題に対して、本研究では都市公園で餌付けされるエゾリスに着目して研究してきた。具体的には、日常的に餌付けをされるエゾリスの生態について、社会構造の変化、繁殖成績の個体差、遺伝的構造について多角的に評価した。また、日常的に野生動物(リスをはじめ、その他小型鳥類など)に餌付けをしている市民に半構造化インタビューをすることで、人々が餌付けをする動機やその背景について探索的に理解することを試みた。
2023年度は、2022年度に収集した都市と郊外におけるリスの繁殖成績、MIG-seqを用いた分子実験による帯広個体群の遺伝構造解析についてのデータをまとめて論文化した。インタビュー調査によって帯広市民が野生動物に餌付けをする動機や背景について明らかにした研究については、現在論文化を進めている。これまでに得たエゾリスの生態に関するデータについて、市民向けのセミナーを開催することで情報を公開し、生態学的根拠を提示した際の市民の餌付けに対する行動や態度の変化の検出する予定であったが、研究期間内で遂行できなかった。今後別のプロジェクトとして遂行する予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Supplemental feedings affect diet seasonality and niche width in urban Eurasian red squirrels2023

    • 著者名/発表者名
      Takahata Yu、Uchida Kenta、Shimamoto Tatsuki、Kutsukake Nobuyuki、Shirai Kotaro、Tanaka Kentaro、Ito Motohiro
    • 雑誌名

      Journal of Mammalogy

      巻: 104 号: 6 ページ: 1443-1454

    • DOI

      10.1093/jmammal/gyad089

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Keeping treasure safe: Eurasian red squirrels cache valuable food far from the food source with low canopy cover2023

    • 著者名/発表者名
      Takahata Yu、Uchida Kenta、Shimamoto Tatsuki、Kutsukake Nobuyuki
    • 雑誌名

      Behaviour

      巻: 160 号: 3-4 ページ: 201-216

    • DOI

      10.1163/1568539x-bja10197

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 都市における野生動物の生態と人との関わり:エゾリスを事例に2023

    • 著者名/発表者名
      高畑優
    • 学会等名
      「野生生物と社会」学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Urban ecology of Eurasian red squirrels in Japan: A comparison between urban and rural populations2023

    • 著者名/発表者名
      Takahata Y., Uchida K., Shimamoto T., Ito M., Asari Y., Terai Y., Ohtsuki H., Kutsukake N.
    • 学会等名
      Behaviour
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 野生動物管理への質的研究の貢献2023

    • 著者名/発表者名
      高畑優
    • 学会等名
      「野生生物と社会」学会青年部会企画「他分野のアプローチに触れる若手研究座談会 ー野生動物管理の学際的議論にむけてー」
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] キレイ?きたない?都市リスの口内環境2022

    • 著者名/発表者名
      片平 浩孝、内田 健太、高畑 優、江口 勇也、中村 浩、島津 徳人
    • 学会等名
      野生動物医学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 市民が野生動物に餌付けする動機と専門家による想定とのズレ2022

    • 著者名/発表者名
      高畑優、水島希
    • 学会等名
      「野生生物と社会」学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-28   更新日: 2024-12-25  

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