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金触媒による新規ワンポット多置換ピリジン構築法の開発とストレプトニグリンの全合成

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ1458
補助金の研究課題番号 22J20726 (2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2022)
応募区分国内
審査区分 小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
研究機関富山大学

研究代表者

小菅 周斗  富山大学, 医学薬学教育部, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード金触媒 / 含窒素複素環 / アザエニンメタセシス / ワンポット反応 / アルカロイド / ピリジン / オートタンデム触媒反応
研究開始時の研究の概要

多置換ピリジンは医薬品や天然物に広く見られる化合物群であり、その合成法の開発は重要な研究課題である。本研究では、カチオン性金触媒を用いたイミン誘導体のC=N結合とアセチレンのC≡C結合組換え反応(アザエニンメタセシス)を基盤とした独自のワンポット多置換ピリジン合成法を開発する。また、本反応を鍵とした抗がん活性天然物ストレプトニグリンの不斉全合成研究へ展開する。さらに本研究で確立する合成法を基盤とした構造修飾によりストレプトニグリンの構造活性相関研究を行う。

研究実績の概要

多置換ピリジンは医薬品や天然物に広く見られる化合物群であり、その合成法の開発は重要な研究課題である。本研究では、カチオン性金触媒を用いたイミン誘導体のC=N結合とアセチレンのC≡C結合組換え反応(アザエニンメタセシス)による1-アザブタジエン形成を基盤とした独自のワンポット多置換ピリジン合成法を確立する。また、本ピリジン合成反応を鍵とした抗がん活性天然物Streptonigrinの不斉全合成研究を目指す。
本年度は、昨年度に確立したカチオン性金錯体によるワンポット多置換ピリジン構築法を学術論文として投稿するとともに、本法を基盤としたStreptonigrinの全合成研究に取り組んだ。モデル基質を用いた検討により、当初計画していたキノリン核を有するアルキンでは目的の反応が進行しないことが明らかとなった。再度、金触媒や反応溶媒等の反応条件の精査を行うとともに、キノリンユニットの立体的・電子的影響についても詳細に検討したが収率の改善には至らなかった。キノリン窒素原子の高い求核性が問題であると考え、キノリンユニットは合成終盤にクロスカップリング反応で導入することとした。そこで、官能基変換の足がかりとなる置換基を有したイナミドを用いて検討を行ったところ、重要中間体1-アザジエンを高収率で単離することに成功した。現在、単離した1-アザジエンと反応させる適切なジエノフィルを精査しており、今後はStreptonigrinの中心骨格である完全置換ピリジン核を一挙に構築し、全合成に向けた更なる検討を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画に従い、カチオン性金触媒によるアザエニンメタセシスを基盤とした多置換ピリジン合成法の確立に成功した。その後、本法を用いたStreptonigrinの全合成研究に着手した。モデル基質を用いた検討により、キノリンユニットを備えたプロピオレートでは、目的の反応が進行しないことが判明した。種々検討を行った結果、官能基変換の足がかりとなる置換基を有したイナミドを代用することで、Streptonigrinの全合成研究における重要中間体1-アザジエンを効率的に合成する条件を見出した。

今後の研究の推進方策

本年度の検討により、ストレプトニグリン全合成研究における重要中間体1-アザジエンを効率的に合成する条件を見出した。したがって、次年度は、得られた重要中間体1-アザジエンを適当なジエノフィルと反応させることで、Streptonigrinの中心骨格である完全置換ピリジン核を構築する。その後、適切な官能基変換を行ったのち、クロスカップリング反応を用いて、A環、B環に相当するキノリンユニットを導入し、Streptonigrinの不斉全合成を達成する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] One-Pot Synthesis of Pentasubstituted Pyridines following the Gold(I)-Catalyzed Aza?Enyne Metathesis/6π-Electrocyclization?Aromatization Sequence2023

    • 著者名/発表者名
      Kosuge Shuto、Araki Yusuke、Tsuge Kiyoshi、Sugimoto Kenji、Matsuya Yuji
    • 雑誌名

      The Journal of Organic Chemistry

      巻: 88 号: 11 ページ: 6973-6986

    • DOI

      10.1021/acs.joc.3c00270

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 金錯体によるアザエニンメタセシスを基盤としたアゼピン骨格のワンポット合成法の開発2024

    • 著者名/発表者名
      小菅周斗, 喜樂佳弘, 柘植清志, 杉本健士, 松谷裕二
    • 学会等名
      日本薬学会144年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] カチオン性金錯体のオートタンデム触媒作用によるワンポット多置換ピリジン合成法の開発2023

    • 著者名/発表者名
      小菅周斗、荒木優介、柘植清志、杉本健士、松谷裕二
    • 学会等名
      第43回有機合成若手セミナー
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] One-pot synthesis of pentasubstituted pyridines via gold(Ⅰ)-catalyzed aza-enyne metathesis/6π-electrocyclization2023

    • 著者名/発表者名
      Shuto Kosuge, Yusuke Araki, Kiyoshi Tsuge, Kenji Sugimoto, Yuji Matsuya
    • 学会等名
      The 7th Toyama-Basel Joint Synposium
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 金錯体によるオートタンデム触媒作用を基盤としたワンポット多置換ピリジン合成法2023

    • 著者名/発表者名
      小菅周斗, 荒木優介, 柘植清志, 杉本健士, 松谷裕二
    • 学会等名
      第52回複素環化学討論会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 金触媒による新規ピリジン合成法を基盤としたストレプトニグリンの全合成研究2023

    • 著者名/発表者名
      小菅周斗, 杉本健士, 松谷裕二
    • 学会等名
      2023年度有機合成化学北陸セミナー
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 金触媒によるワンポット多置換ピリジン合成法の生物活性化合物への応用2023

    • 著者名/発表者名
      小菅周斗, 杉本健士, 松谷裕二
    • 学会等名
      日本薬学会北陸支部第135回例会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ストレプトニグリンの全合成を志向した金触媒によるワンポット多置換ピリジン構築法の開発2023

    • 著者名/発表者名
      小菅周斗, 杉本健士, 柘植清志, 松谷裕二
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 金錯体のオートタンデム触媒作用を利用したワンポット多置換ピリジン構築法2022

    • 著者名/発表者名
      小菅周斗, 荒木優介, 柘植清志, 杉本健士, 松谷裕二
    • 学会等名
      2022年度有機合成化学北陸セミナー
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] カチオン性金触媒によるワンポット多置換ジヒドロピリジン・ピリジン構築法2022

    • 著者名/発表者名
      小菅周斗, 荒木優介, 杉本健士, 柘植清志, 松谷裕二
    • 学会等名
      第48回反応と合成の進歩シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 金錯体によるオートタンデム触媒作用を利用した窒素上に脱離基を有する多置換 1,4-ジヒドロピリジンの新規構築法2022

    • 著者名/発表者名
      荒木優介, 小菅周斗, 柘植清志, 杉本健士, 松谷裕二
    • 学会等名
      2022年度有機合成化学北陸セミナー
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [図書] ファルマシア2024

    • 著者名/発表者名
      小菅周斗
    • 総ページ数
      1
    • 出版者
      公益社団法人 日本薬学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-28   更新日: 2024-12-25  

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