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感覚情報を統合し行動を決定する脳高次中枢神経機構

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ1468
補助金の研究課題番号 21J40065 (2021-2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2021-2022)
応募区分国内
審査区分 小区分46010:神経科学一般関連
研究機関金沢大学

研究代表者

木矢 星歌  金沢大学, 理工研究域生命理工学系, 特別研究員(RPD)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード神経科学 / 即初期遺伝子 / 初期応答遺伝子 / 性行動 / 昆虫 / Hr38 / Stripe
研究開始時の研究の概要

動物は様々な感覚情報を元に最適な行動を選択する。しかし、脳の高次中枢において多種感覚情報を統合し、行動発現を制御する神経機構については不明な点が多い。本研究では雄のショウジョウバエの性行動をモデルとして、複数の感覚情報を受け取るaSP2と呼ばれる神経群の活動に着目する。
aSP2神経の活動は雄の性行動の持続に必要であることが明らかとなっている。aSP2神経と、aSP2神経の接続先の神経であるP1神経の活動を様々な条件下で調べることで、脳の高次中枢で感覚情報がどのように伝達され、行動の発現を制御しているのかを調べる。

研究実績の概要

本研究では、ショウジョウバエの性行動をモデルとして、多種の感覚情報を統合し行動を決定する脳の高次中枢神経機構の一端を明らかにすることを目的としている。これまでに私は、昆虫の初期応答遺伝子Hr38の発現を利用して、性行動中の雄では脳高次中枢のaSP2と呼ばれる神経群が活動することを明らかにした。また、aSP2の活動は雄が雌との交尾に至るための持続的な求愛行動に必要であることを見出した。
本年度は、ショウジョウバエの初期応答遺伝子stripe(哺乳類のEGR1ホモログ)の発現を利用して、2つの異なる時間帯に活動した神経群をそれぞれ別個にラベルする手法について、これまでに得た研究結果を論文にまとめ、筆頭責任著者として発表した(Takayanagi-Kiya et al. PNAS, 2023)。本手法は、神経活動によって誘導される内在性Stripeの発現と、Stripeの発現パターンを反映するGFPレポーターの検出を組み合わせることにより実現した。本論文中では、上記の手法について詳細に記述するとともに、①雌との性的接触によって雄の脳で神経群aSP2が活動すること、②雄同士の接触により、雄の脳で攻撃行動に関わることが知られるaSP3神経の1部が活動すること、③性行動と攻撃行動の双方に関係すると考えられている、fruitless遺伝子を発現する神経群において、雌との接触と雄同士の接触では異なる細胞が活動すること、を論じた。昆虫において、異なるコンテクスト下で活動した神経群を比較する簡便な手法はこれまでなかったため、今回発表した論文は昆虫の神経生物学分野において重要な意味を持つと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

雄の性行動中にaSP2神経が活動することを、神経活動依存的なHr38の発現に加えStripeの発現を利用して確認することができた。さらに、内在性Stripeの発現とStripeレポーターの発現をそれぞれ検出することで、異なる時間帯に活動した神経を別個にラベルするという新たな手法について論文発表を行った。

今後の研究の推進方策

今年度までの研究から、雌と接触した雄の脳で神経群aSP2が活動することを見出し、さらにaSP2からアセチルコリンが放出されることが雄の性行動の積極性に重要であることを発見した。現在は雄の脳におけるaSP2の活動と性行動の関連についてより詳細な解析を行うための準備を行っており、令和6年度にはaSP2と下流神経の活動との関連について調べる予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Cell assembly analysis of neural circuits for innate behavior in Drosophila melanogaster using an immediate early gene stripe/egr-12023

    • 著者名/発表者名
      Takayanagi-Kiya Seika、Shioya Natsumi、Nishiuchi Takumi、Iwami Masafumi、Kiya Taketoshi
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences

      巻: 120 号: 33

    • DOI

      10.1073/pnas.2303318120

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 神経活動依存的に発現する初期応答遺伝子Hr38/Nr4aはショウジョウバエのドーパミン神経において長期記憶を制御する2023

    • 著者名/発表者名
      木矢星歌, 坂本沙紀, 橋本光平, 大村知世, 掛井伶華, 箕口昌杜, 小宮聖十朗, 佐藤翔馬, 坂井貴臣, 岩見雅史, 木矢剛智
    • 学会等名
      第46回日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-07-29   更新日: 2024-12-25  

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