研究課題/領域番号 |
22KJ1500
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補助金の研究課題番号 |
22J01135 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2023) 岐阜大学 (2022) |
研究代表者 |
清野 雄多 大阪大学, 歯学部附属病院, 特任研究員(常勤)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 法歯学 / 身元確認 / 災害 / 深層学習 / 連合学習 / AI / ディープラーニング / 機械学習 / 医療AI / セマンティックセグメンテーション / 物体検知 |
研究開始時の研究の概要 |
【研究目的】 災害時には身元不明の遺体が発生するが、遺体の歯科所見と近隣歯科医院のカルテを照合することで、身元を割り出すことできる。しかし所見の採得、記録、照合の作業は歯科医師の手作業であるため、多大な時間と労力がかかる。そこで、口腔内写真から自動的に歯科所見を検出するAIの開発を行う。 【研究の方法】 現在通院中の患者さんの口腔内写真、実際の遺体の口腔内写真を共同研究機関から得る。歯科医師である研究責任者が研究に適した写真を選定し、歯科所見を記録し、これを教師データとする。AIは最新のSwin-Unetを利用する予定であり、またプライバシーに配慮した連合学習と呼ばれる手法を組み合わせる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、口の中の写真(口腔内写真)から自動的に歯科所見を検出するAIを開発することです。そしてこのAIを災害時の身元確認のために利用します。 身元確認には3つの大きな課題があります。まず遺体から歯科所見を得るところです。つぎに生前の歯科所見をカルテから再構築するところ、最後に死後の歯科所見と生前の歯科所見を照合するところです。私たちは、遺体の口腔内写真から歯科所見を自動的に得るAIを開発しています。もちろん、このAIは生きている患者さんにも使えるので、生前のデータを蓄積することにも利用できます。その結果、死後と生前のデータを照合することも容易になります。 昨年度は、AIの開発にあたりハードウェア的な環境整備からはじめ、Kubernetes の仮想環境や機械学習ライブラリの整備等のソフトウェア的な環境構築とアノテーションを主に行いました。今年度はこれに加えて、プライバシー保護に配慮した機械学習手法である連合学習に着手しました。連合学習の中でも、中央サーバーの用いず、ノード間の通信をブロックチェーンで行なうSwarm Learning を採用しています。本研究ではまだ多くの拠点との連携は実現していないため、HPE 社のライブラリを無料で利用できる範囲内での実験を行っています。今年度はアノテーションを約1000例行い、簡易的な実験を行いました。歯牙の検出は精度約90%程度で行なうことができるようになりましたが、暗い写真等のイレギュラーなもので精度が落ちています。次年度はさらにアノテーション済みのデータセットを増やし、精度向上に挑みます。また歯科治療の方法は多岐に渡るため、どの程度の詳細度のアノテーションを行なうかも検討事項です。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アノテーションに最も時間を取られることは予想しており、その下流にある機械学習のステップはそれほど大きく進捗はない予想であった。ただしアノテーションは約1000例済んでおり、歯科におけるAI研究では多いデータセット数である。その点で順調に進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
まずはアノテーション済みのデータセットを増やして、約3000例を目標とする。これと並行して、アノテーションの詳細度について検討を行う。あらゆる歯科治療を網羅したアノテーションを施す場合、時間がかかりすぎるため、「身元確認に適した詳細度」について研究する。また連合学習に関しては、学外のノードとの連携について実証実験を行なう。
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