研究課題/領域番号 |
22KJ1503
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補助金の研究課題番号 |
22J23728 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
大島 達也 岐阜大学, 連合農学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 細胞壁 / メタボロミクス / ナノ構造 / 青果物 / 貯蔵生理 / 原子間力顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
青果物貯蔵時の軟化メカニズムの全容解明には,これまで研究が行われてきたペクチン主鎖のみならず,ペクチン側鎖やヘミセルロース,セルロースといった細胞壁成分を網羅的に分析する必要がある。そこで本研究では,収穫後青果物の貯蔵中における細胞壁成分の変化と細胞壁多糖のネットワーク構造との関係を明らかにすることを目的とする。そのため,①青果物貯蔵中の細胞壁多糖の代謝変化の解明,②細胞壁多糖のネットワーク構造と化学的構造との関係解明の2点を中心に取り組む。
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研究実績の概要 |
本研究は収穫後青果物の貯蔵中における細胞壁成分の変化を把握し,青果物の硬度に寄与すると考えられる細胞壁多糖のネットワーク構造との関係を明らかにすることを目的とする。次年度は,初年度に引き続き細胞壁メタボロームの解析手法の検討,トマトを用いた貯蔵試験および細胞壁成分の分析に取り組んだ。細胞壁メタボローム解析手法の検討では,赤外分光法,ラマン分光法および液体高速クロマトグラフィー(HPLC)を用いた方法を試みた。赤外分光法およびラマン分光法においては,測定方法に改善余地はあるものの,従来と同様に細胞壁物質由来のピークを検出した。これらの手法は定性分析としては有用でるが,定量性には欠けるため,HPLCによる方法も検討を行った。電気化学検出器を用いたところ,細胞壁構成単糖を検出できることを確認したため,今後細胞壁物質の分析を行う予定である。また,トマトの貯蔵試験を行い,細胞壁メタボローム変化を調査した。この際,青果物の殺菌処理として利用されており,青果物の軟化抑制効果が報告されているUV-C処理を適用し,細胞壁メタボロームへの影響を調査した。細胞壁物成分であるペクチンにおいて,貯蔵により水溶性ペクチンが増加し,ペクチンが低分子化,可溶化したことが示された。原子間力顕微鏡(AFM)を用いた観察においても,同様にペクチンの低分子化が観察された。現在,AFM画像の画像解析による定量評価法の検討を行っている。ペクチン含量およびAFM観察において,UV処理の有無による貯蔵中のペクチン変化は軽微であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は細胞壁メタボロームの解析手法として,HPLCを用いた方法を検討した。当研究室では初めてのHPLC導入であり,条件検討に多くの時間を割いてしまい,十分に分析を行えたとは言い難い。一方で予備試験に基づく条件で貯蔵試験を実施し,細胞壁物質の定量やAFM観察などの分析を開始できた。以上のように,貯蔵試験は開始したものの,HPLCによる糖分析が未だ行えていないため,やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
現時点において,貯蔵試験を行ったが,細胞壁メタボロームを捉えるうえでHPLCを用いた糖分析は必須であると考える。そこで,昨年度に引き続き糖分析の条件検討および細胞壁物質の加水分解物を試料に用いた構成糖の同定を行う。また,細胞壁物質から抽出したペクチンにおいてはネットワーク形成に関与するメトキシル化度の測定も行う。AFMによるナノストラクチャの観察は現在も進めているが引き続き行い,画像解析によって定量的に評価する。以上のようにして得られた細胞壁メタボローム変化およびナノストラクチャ情報を比較し,それらの関連性を調査していく。
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