研究課題/領域番号 |
22KJ1506
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補助金の研究課題番号 |
19J00701 (2019-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2019-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
飯島 正也 名古屋大学, 名古屋大学博物館, 特別研究員(CPD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | バイオメカニクス / ワニ類 / ロコモーション / モデリング / 骨ひずみ |
研究開始時の研究の概要 |
アメリカン・アリゲーターをモデルとして,這歩き→直立姿勢進化のバイオメカニクスを研究した.這歩き動物における姿勢と体サイズの関連性を探るため,幼体~成体を用いて,四肢キネマティクス,床反力,骨ひずみを比較した.直立型の哺乳類では,大型化に伴い,四肢が屈曲→伸展姿勢へシフトするが,這歩き型のアリゲーターでも同様の姿勢シフトがあることを示した.また,這歩き時の骨ひずみは体サイズに比例し増加することから,大型個体は,直立気味の姿勢をとり骨ひずみを緩和している可能性が高い.これらの結果は,哺乳類における屈曲→伸展姿勢と,爬虫類における這歩き→直立姿勢のパラダイムが同様に体サイズ依存であることを示した.
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研究実績の概要 |
アメリカン・アリゲーターをモデルとして,這歩き→直立姿勢進化のバイオメカニクスを研究した.這歩き動物における姿勢と体サイズの関連性を探るため,幼体~成体を用いて,四肢キネマティクスと床反力の比較,および筋骨格モデル作成を進めた. 英国王立獣医大学を拠点とし,アメリカンアリゲーターのCT及びMRIスキャンデータをもとに,四肢の骨格形態と筋肉の走向を反映した筋骨格モデルを構築した.既にプロトタイプのモデルを完成させたため,今後はこのモデルのスケール比を変えて微調整し,取得済みであるワニの運動時の三次元動作を組み込むことで,関節毎のモーメントや骨内のひずみ解析を進めていく. 2022年4月には,米国フロリダ州セントオーガスティン・アリゲーターファームにて体長2m以上の成体アリゲーターを用いて歩行測定を行った.動作解析の結果,アリゲーターの歩行時の歩容や四肢姿勢が体サイズによって変化し,特に大型個体は体重支持の負担を減らすように直立気味の姿勢を採ることを突き止めた.体サイズ依存の四肢姿勢の変化は,哺乳類や鳥類にも見られることから,陸上歩行の機械的制約と関連する可能性がある.また,アリゲーターの体の重心は,体サイズの増加に伴って後方に移動し,後肢の相対的な床反力が増大していた.一方で,体重に対する体積比では,前肢の成長が後肢よりも早く,体サイズ依存の床反力の変化と一致しなかった.これは,前肢筋の活動量が,発揮筋力や仕事量の限界に近いため,大型アリゲーターが後肢よりも前肢の筋量増加を優先させていることを示唆する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年4月~2023年3月まで,英国ロンドンの王立獣医学校にて,アリゲーターの四肢の筋骨格モデルの作成と,歩行シュミレーションを行った.具体的には,MRI画像を用いた前後肢筋のセグメンテーションに2か月,筋骨格モデル復元に3か月,モデルの検証とシュミレーションに数か月を要した. 並行して,米国フロリダ州セントオーガスティン・アリゲーターファームで得たアリゲーターの歩行データの解析を行った.2023年1月の米国統合比較生物学会にて,アリゲーター幼体~成体の歩行様式の変化に関する研究内容を講演し,現在国際誌に投稿中である. また,一連の研究に関連して,3編の共著論文を国際誌に発表した.
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度(2023年4月~2024年3月)は,引続き王立獣医学校でアリゲーターの前後肢のモデリングを行う.すでに完成させたモデルのスケール比を変えて,ソフトウェアOpenSim上で逆ダイナミクス解析を行い,アリゲーターの体サイズ依存の関節モーメントや骨ひずみの変化を調べる. 令和5年夏は,アメリカやインドの研究者と共同で,インドガビアルの歩行測定を行う.複数のハイスピードカメラを用いた四肢関節の3D座標の取得と,床反力計を用いた床反力測定を予定している. また,秋以降にイギリスやアメリカの自然史博物館で骨格の計測や3Dスキャンを予定している.
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