研究課題
特別研究員奨励費
継続課題のため、記入しない。
光合成などで効率的なエネルギー変換プロセスをもたらすための重要な反応に,プロトン共役電子移動(PCET)反応がある。本研究では,PCETの一種である共役プロトン電子移動(CPET)反応の速度定数計算を実現するために,フェルミの黄金律と多次元調和振動子の波動関数に基づくFull Quantumな速度定数計算手法Vibration Correlation Function (VCF) 法を応用した新規理論開発および実装を行なった。本手法を,CPET反応の解析にこれまで使われてきたSemiclassicalな速度定数計算法Multistate Continuum Theory,および電子移動反応の解析に使われるMarcus-Levich-Jortner Theoryと理論比較し,またCPET反応のモデル分子を用いた数値計算を行うことで,我々の手法と既存手法の利点・欠点をそれぞれ明確にした。この研究に伴い,1)プロトン移動を伴う分子の内部座標構築法,2)Duschinsky回転がもたらすCPET反応の速度定数に対する重大な影響,の2点を見出した。また,我々の手法における欠点を改善する方法に関しては,すでにその方向性を見出しており,今後は研究室にてその手法開発が行われる予定である。さらに,Duschinsky回転を考慮した,VCF法における高温近似の速度定数に対する解析解の新規導出にも成功し,実装を行なった。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)
The Journal of Chemical Physics
巻: 158 号: 5 ページ: 054107-054107
10.1063/5.0130636