研究課題/領域番号 |
22KJ1538
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補助金の研究課題番号 |
21J40103 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
渡邊(奈良) 郁子 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(RPD) (70414381)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 湖底堆積物 / 希土類元素 / 同位体 / 完新世 / 年代決定 / 環境変動解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、白頭山テフラ層を汎用性の高い単年鍵層として確立するため、従来法(主要元素組成)に加え、新たな白頭山テフラの化学的特異 性(オリジナリティ)を見出し、日本で観察される他のテフラとの相違性を明確化し、加えて白頭山テフラ鍵層に基づいた、14C年代モデル補 正への応用可能性を明らかにすることを研究目的としている。具体的には、白頭山テフラおよび国内テフラに含まれる火山ガラスのNd同位体比 を分析し、テフラNd同位体比マップを作成する。白頭山テフラの具体的なNd同位体値を示し、その特異性を明らかにすることで、火山ガラスの Nd同位体値を新たなテフラ判別指標として確立する。
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研究実績の概要 |
本研究では、噴火年代が決定している白頭山テフラ層を汎用性の高い単年鍵層として確立するため、従来法(主要元素組成)に加え、新たな白頭山テフラの化学的特異性(オリジナリティ)を見出しすことを目的とし、特に微量元素の同位体(Sr及びNd)に焦点を当て、研究を進めている。本年度の研究実績として、小川原湖堆積物試料に含まれる白頭山テフラ層及び十和田テフラ層を研究試料とし、これらに含まれる火山ガラスの微量元素同位体(Sr及びNd)の分析を進めた。本分析から、二つのテフラ層に含まれるSr及びNd同位体の値が明瞭の異なることを示し、これらの分析手法が給源火山を類推するための化学的なアプローチとして利用可能であることを示した。この研究結果をもとに、国際学会(Goldschmid2022)にて発表を行った。また、給源付近で得られた白頭山テフラ試料を用いて、微量元素及びSr及びNd同位体の分析を進めている。さらに、海外(英国及びフランス)の研究者との共同研究に基づいて、白頭山テフラを用いた微量元素分析、及びテフラ同定に関する情報交換を進め、海外で採取された堆積物を用いて、白頭山テフラの探索を進めている。また、日本各地で採取される様々なテフラ試料を用いて、微量元素分析およびSr及びNd同位体分析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
微量元素及びSr及びNd同位体分析のための試料準備、及び前処理が順調に進み、これらのデータが遅延なく取得できた。また研究対象試料の準備をスムーズにできたことから、複数の試料採取場所で得られた白頭山テフラ層を用いた分析を行なっており、概ね研究は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、新たな研究試料を用いた白頭山テフラ試料の微量元素及びSr及びNd同位体分析を進める。これらを進めることで、白頭山テフラの新たな降下範囲の設定を目指したい。特に海外の試料を用いた研究を進める予定である。
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