研究課題/領域番号 |
22KJ1540
|
補助金の研究課題番号 |
21J40239 (2021-2022)
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
|
研究機関 | 上智大学 (2023) 名古屋大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
櫻田 智恵 上智大学, 総合グローバル学部, 助教
|
研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | タイ / 君主制 / イメージ戦略 / 国父 / 風刺 / 東南アジア / 日タイ関係 / 国王観 / 国母 / プーミポン / 王太后 / メディア戦略 / 国王 / ニュース映画 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、タイ王室の権威形成において女性王族が果たした役割を明らかにする。分析対象期間は、絶大な権威を誇った前国王プーミポン(在位1946-2016年)の即位後とし、イメージ戦略の分析の深化、及び人的ネットワークの解明を試みる。 特に、女性王族の果たした役割に注目している。これまで、女性王族たちは断片的にその役割が論じられるのみで、彼女らがプーミポン国王の権威形成に与えた影響についての全体像は不明であった。本研究では、女性王族らの葬式本や、メディアでの表象などについて分析を進める。プーミポン国王の絶大な権威は、彼一人ではなく、ロイヤルファミリー全体で形成されたことを論じるものである。
|
研究実績の概要 |
本研究では、前国王の権威形成に、王妃シリキットをはじめとする女性王族が重要な役割を果たしたことを実証することを目指す。タイの理想的国王観は、仏教的価値観に基礎を置くが、前国王のもうひとつの重要なイメージである「国父」のイメージの形成・定着の家庭については論じられてこなかった。そこで本研究は、この点を明らかにすることを目指し、女性王族の「国母」としてのイメージ形成の過程を追うことで、これを解明しようと試みるものである。国母に着目するのは、プーミポン国王の誕生日が「父の日」として制定されるよりも早く、シリキット王妃の誕生日が「母の日」とされていることなどから、国王の国父としてのイメージに先行して「王妃=国母」というイメージが広まったのではないか、という作業仮説のためである。最終年度である本年は、昨年に引き続き、日本国内において実施可能な調査に重きをおいて活動を行った。 1.女性王族のメディアへの登場について:昨年度までに収集した、シーナカリン(王太后)が取り上げられているメディア、特にヨーロッパ諸国の新聞や雑誌をなどについて分析を進めた。また、シリキット(王妃)に関連する語りを比較した。 2. 不敬罪と、不敬罪を扱ったアート作品における王室風刺について:近年特に盛んになっている、不敬罪に関する議論をまとめた上で、不敬罪を批判するアート作品を抽出し、それらで行われる王室風刺がどのようなものかの分析を行った。 3.日本から見たタイの「王室像」について:昨年に引き続き実施した。第二次世界大戦前に「同盟国」となったタイについては、君主制を持つという点で日本からの関心も高く、タイにおける王室関連行事や君主を取り巻く表象、民衆感情などについてもさまざまな記録が残されている。それらの資料から、特に1930年-50年代までのタイ王室観、プーミポン国王の即位前後期のタイの国王観について分析・考察を進めた。
|