研究課題/領域番号 |
22KJ1541
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補助金の研究課題番号 |
21J40241 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
付 友紀子 名古屋大学, 環境医学研究所 分子代謝医学分野, 特別研究員(RPD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 視床下部 / 慢性炎症 / 脳ー末梢関連 |
研究開始時の研究の概要 |
最近、過栄養が、末梢臓器に先行して視床下部に慢性炎症を惹起し、肥満の病態形成に寄与することが明らかになってきた。この時、脳内の免疫担当細胞であるミクログリアの関与が指摘されているが、視床下部における時空間的動態やマクロファージ系細胞のサブタイプは未解明である。マクロファージの多様性に加えて、栄養・代謝と炎症・免疫の連関を示唆する知見が集積しつつある。申請者は、多数の神経核が複雑に配置された視床下部において、マクロファージサブタイプの時空間的挙動の一端を明らかにする中で、ニューロンとマクロファージ系細胞の相互作用による視床下部機能変容が末梢臓器の炎症・代謝に及ぼす影響を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、肥満におけるエネルギー代謝調節中枢である視床下部の機能破綻に着目し、それによる末梢臓器への関連作用の解明を目的とする。令和3年度では、 慢性炎症における視床下部での炎症担当免疫細胞(ミクログリア・マクロファージ)を時空間的な動態解析を行なった。令和4年度は、視床下部の機能破綻による末梢臓器への関連作用の解析の目的で、中枢MC4Rシグナルが肝マクロファージを制御する機序の解明を行った。 具体的に、肝細胞障害性の化合物である四塩化炭素(CCl4)の単回投与により、肝細胞死が誘導する一過性炎症モデルを作製し、中枢MC4Rシグナルが炎症収束過程の肝臓マクロファージに及ぼす影響を検討した。その結果、MC4R欠損マウスやMC4Rアンタゴニストの脳室内投与による中枢MC4Rシグナルの阻害は肝障害の回復を遅延させた。それと共に、肝臓のフローサイトメトリー解析でマクロファージのサブタイプ変化が認められた。マクロファージ分化制御因子のアゴニストの投与によって肝障害が改善されることから、肝障害回復過程に肝臓に浸潤するマクロファージのサブタイプ変化による死細胞クリアランス能の変化は、中枢MC4Rシグナルの阻害による肝障害の回復遅延に関与する可能性があると考えられる。この仮説を支持するデータとして、MC4R欠損マウス由来マクロファーシの貪食能か低下することを見出した。 中枢MC4Rシグナルによる肝臓マクロファージへの制御機序を明らかにするため、中枢MC4Rシグナルによる自律神経機能への影響、アドレナリンレセプター欠損マウスまたはアドレナリンアゴニストによるマクロファージのサブタイプ変化の検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、視床下部の機能破綻による末梢臓器への関連作用を、中枢MC4Rシグナルが肝細胞障害の回復を遅延させるモデルで検証した。また、その制御機序を解明するため、中枢MC4Rシグナルによる自律神経機能への影響、アドレナリンレセプター欠損マウスまたはアドレナリンアゴニストによるマクロファージのサブタイプ変化の検討が進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、中枢MC4Rシグナルによる自律神経機能への影響、そしてマクロファージサブタイプ変化に至る制御機序の解明を進めていく予定である。 具体的に、1)中枢MC4Rシグナルによる自律神経機能への影響を、肝臓カテコールアミン量、関連レセプターの発現量で評価する。2)マクロファージサブタイプ変化に影響を与えるアドレナリンレセプターを同定するため、アドレナリンレセプター欠損マウスのまたはアドレナリンアゴニストを用いて検討する。 最後に中枢炎症の制御による肝臓炎症へ及ぼす影響を、ミクログリア消去マウスを用いて評価する。 これらの検討により、エネルギー代謝調節中枢である視床下部の機能破綻(慢性炎症、MC4Rシグナル欠損)による末梢臓器(肝臓炎症)への関連作用の機序解明につながる。
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