研究課題/領域番号 |
22KJ1576
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補助金の研究課題番号 |
22J15478 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
太田 直斗 名古屋大学, 情報学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 機能 / 視覚的オブジェクト認知 / ピクトグラム / 注意 / カテゴリー / 身体化された認知 / 基盤化された認知 / 概念 / 視覚情報処理 / 視覚シンボル |
研究開始時の研究の概要 |
物体について構築される意味的なカテゴリの中でも,物体の機能を反映するカテゴリの認知的特性については明らかにされていないことが多い。物体認知において機能という概念の重要性はこれまでにも強調されてきており,このカテゴリの認知的特性を明らかにすることは,人の物体認知のシステムを解き明かす上で重要な課題といえる。そこで本研究では,機能を反映するカテゴリの処理基盤の検討と知見の一般化可能性を基軸として,物体の機能認識の包括的な理解を目指す。
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研究実績の概要 |
最終年度の本年度は,視覚的オブジェクトの機能の認識の研究における,知見の一般化可能性を担う,ピクトグラムを対象とした研究が進んだ。特に,ピクトグラム研究の基盤的な知識となりうる,意味明瞭度などの評定値の網羅的なデータ収集に関する研究が大幅に進展した。さらに,そうした基礎的な知見を踏まえた上で,ピクトグラムが表現する物体の機能の処理について,実験の形式で行動データの収集を行い,論文の形式としてまとめられている。実験では,ピクトグラムの機能を表現したカテゴリー名(機能カテゴリ)や,オブジェクトのベーシックカテゴリ(基本カテゴリ)によるピクトグラムの意味処理を要求し,ピクトグラム刺激の提示時間を操作することで,現実のオブジェクトではないピクトグラムを対象として,機能カテゴリの処理プロセスの時間的なダイナミズムを検討した。この結果は,これまで明らかにした機能カテゴリの処理に対する知見が,どのように一般化可能であるのかを検討する意味で,今後の発展が見込める知見として極めて重要な役割を担うだろう。 また,ピクトグラム刺激だけではなく,現実のオブジェクトを対象とした研究にも進展があった。注意研究のパラダイムを応用して,オブジェクトの機能を司る部位への注意がオブジェクトの意味処理において果たす役割を検討した。その結果,一連の実験から,オブジェクトの機能を司る部位への注意はオブジェクトの意味処理に必要でありながらも,その必然性は課題の性質に応じで変動しうることが示された。これらの研究は,視覚的オブジェクトの注意のダイナミズを示す意味での意義をもつ。これら一連の研究は,すでに英語論文の形式としてまとめられ,校正を終えている。
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