研究課題/領域番号 |
22KJ1584
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補助金の研究課題番号 |
22J15698 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
片桐 佳 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ラジカルカチオン / 環化付加反応 / キラル鉄(III)触媒 / 光レドックス触媒 / エナンチオ選択的反応 / キラル対アニオン / 青色LED |
研究開始時の研究の概要 |
近年、基質の一電子酸化を鍵とするラジカルカチオン[2+2]環化付加反応が注目されているが、エナンチオ選択的反応の開発は未だ発展途上である。私は、高エナンチオ選択的反応を開発するため、ラジカルカチオンの近傍に存在する対アニオンに着目した。すなわち、対アニオンの構造によってラジカルカチオンを立体的に制御できないかと考えた。以上の仮説のもと、キラル対アニオンの構造をスクリーニングすることで、生成物を高収率及び高エナンチオ選択的に得ることができた。
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研究実績の概要 |
中性分子の一電子酸化によって生成するラジカルカチオンは、酸・塩基相互作用による二電子関与の活性化では発現できない特異的な反応性を示すことから、有機反応への応用が盛んに研究されている。過去10年間でラジカルカチオン反応の開発が急速に進んでいる一方、エナンチオ選択的反応の開発例は非常に少ない。不安定な化学種であるラジカルカチオンを立体的に制御するのが難しいためである。当研究室では、元素戦略の観点から資源豊富な鉄塩を触媒的一電子酸化剤に用いるラジカルカチオン環化付加反応を開発済みである。また、FeCl3を一電子酸化剤として用いることで、ラジカルカチオン中間体の単離にも成功している。X線結晶構造解析の結果、FeCl3由来の対アニオンがラジカルカチオンの近傍に存在することが分かった。本結果は、FeCl3の代わりにキラル鉄(III)触媒を用いることで、ラジカルカチオンの近傍にキラル対アニオンを導入できることを示唆している。今回、我々はキラル鉄(III)触媒を用いるエナンチオ選択的ラジカルカチオン[2+2]環化付加反応を開発した。触媒量のFeCl3とキラルN-トリフリルホスホロアミド銀から系中で調製可能なキラル鉄(III)光レドックス触媒を一電子酸化剤として用いることで、アネトール類とスチレン類のエナンチオ選択的ラジカルカチオン[2+2]環化付加反応がマイナス40度かつ24時間以内に完結することを見出した。また、スチレンの代わりにジエンを用いることで、世界初の高エナンチオ選択的ラジカルカチオン[4+2]環化付加反応の開発に成功し、古典的な[4+2]環化付加反応では得ることの難しい位置異性体の合成を達成した。さらに、ICP-AES、重量測定、DFT 計算によりキラル鉄(Ⅲ)光レドックス触媒の生成確認および構造推定を行った。
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