研究課題/領域番号 |
22KJ1606
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補助金の研究課題番号 |
22J23113 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松永 優希 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / 薄膜トランジスタ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、申請者の持つ高いカーボンナノチューブ分離・精製技術、電子デバイス作製技術を土台として、細胞培養の世界に表面の化学修飾による状態密度変調や電子交換速度を自在に制御する表面化学修飾技術を新規アイデアとして持ち込むことで、細胞そのものの定着・分化・増殖・活動状態を厳密に把握・制御するデバイスの創出を目指す。これにより、これまで未解明であった細胞の学理を探究するとともに、パンデミックにおける創薬・ウィルス研究開発に迅速に対応できるバイオ電子デバイスの実現を目指す。
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研究実績の概要 |
細胞培養で使用される培養液はリン酸緩衝液をはじめとする電解質を豊富に含むため、電極およびチャネル部分の半導体カーボンナノチューブ(CNT)はアルミナなどの絶縁膜によって表面を保護し、夾雑物による溶液間での電流のリークを避ける必要がある。デバイス作製プロセスにおける酸化膜形成は高温環境で行われるが、半導体CNTに対するドーピング手法において特にp型ドーピング手法は熱安定性に乏しく、酸化膜形成過程でドーピングの効果を失ってしまう問題があった。そこで本年度では、細胞培養と電気特性評価を同一基板上で行うための半導体CNT薄膜トランジスタを作製した。まずは最初に、半導体CNTに対するp型ドーピング手法とその表面保護膜形成手法の開発を中心に取り組んだ。CNTの仕事関数と有機分子のHOMO/LUMOの関係を踏まえつつ網羅的に探索を行った結果、HATCN(1,4,5,8,9,11-hexaazatriphenylenehexacarbonitrile)がCNTに対して200℃まで有効なドーパントであることを見出すことができた。薄膜トランジスタを作製して200℃に加熱しデバイスの特性変化を調べたところ、加熱時間が長くなるにつれてキャリア移動度とON電流密度の向上を確認することができた。その後、保護膜の成膜方法について検討を行った結果、パリレンとアルミナ成膜による表面保護膜形成手法を開発することに成功した。本手法では、パリレンがHATCN膜の酸化と真空中での揮発を防ぐことで、p型ドーピングの効果を失わずにアルミナ膜を成膜することが可能になる。この2重構造により表面を保護したデバイスは酸素分子と水分子の透過を防ぐことがトランジスタの伝達特性から明らかになっており、任意の化学ドーパントに対する保護膜形成手法を見出すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
温度耐性に優れたn型ドーピング手法とこれまでに開発したp型ドーピング手法を組み合わせたデバイス作製プロセスの構築を進めることができている。今後は事前計画を踏まえつつ、今回見出した高温安定なドーパントを用いてp型・n型ドーピングを半導体CNTチャネル上で接合させるpn接合ダイオードやCMOS回路の作製が期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
細胞培養における培養液中のpH変化は細胞の増殖数を左右する重要なパラメータであることから、今後はこれまで培ってきたデバイス作製プロセスを駆使したpHセンサの開発を計画している。具体的には、プロトンの吸脱着によって導電性が変化する導電性ポリマーのスルホン化ポリアニリンをCNT薄膜トランジスタと組み合わせることで、pH変化に応じた電流値変化を読み取るセンサを作製する予定である。
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