研究課題/領域番号 |
22KJ1628
|
補助金の研究課題番号 |
22J12771 (2022)
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
|
研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
仲 泰正 豊橋技術科学大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2022年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | ワイヤレス給電 / 水中ワイヤレス給電 / 高周波電源 / インピーダンス / 結合係数 / 品質係数 / 水中無線技術 / ドローン / 非接触給電 / 無線電力伝送 / kQ理論 / 水中技術 |
研究開始時の研究の概要 |
ダムや橋梁、水道管といった水中インフラはおよそ半世紀前に多く建造され、現在老朽化による事故が多発している。少子高齢化により点検ダイバーの確保は難しいことから、水中ドローンの活用が期待されている。しかしバッテリ交換による運用効率の低下が課題となっている。交換作業が不要な無人運用を実現すべく、水中ワイヤレス給電が研究されている。ワイヤレス給電には電力を送受電するワイヤレス結合器が必要となる。重量と頑丈さの観点から電界結合器が注目されるが、水中では電力伝送効率が低下する。そこで本研究では水中という特殊環境下において、高効率かつ位置ずれ耐性を有する電界型ワイヤレス給電システムを確立する。
|
研究実績の概要 |
本研究では、自律型水中ドローンによるインフラ無人点検作業の高効率化を可能とする技術として注目されている、電界型水中ワイヤレス給電の実現に向けた要素技術開発に取り組んだ。電界型水中ワイヤレス給電では「水中に存在するイオンの追従性」及び「水流によるドローンの位置変動」に起因する電力伝送効率の低下を解決しなければならない。一様媒質中における電界結合器の集中定数素子の等価回路から理論最大電力伝送効率を定式化した結果、品質係数(Q)が小さい水中でも、結合係数(k)が高ければ高効率となることが判明し、電界型水中ワイヤレス給電の実現可能性を数式で示した。つづいて、電界結合器を2組の終端解放された結合線路として分布定数表現することで、水中の理論最大電力伝送効率の周波数特性を完全に再現した。上記結合線路から理論最大電力伝送効率を定式化したところ、結合器電極上の電流・電圧の複素振幅に起因する第三の効率因子の存在が明らかとなった。第三の効率因子は電極上の給電・受電点の相対位置に依存し、水の塩分濃度と給電・受電点の相対位置の関係が明らかとなった。給電ステーションへの着底方向により相対位置を調整でき、水域(淡水か海水)によって着底方向を変更するのみで高効率を達成できる。 最終年度では、水流によるドローンの位置変動耐性を有する給電システムを提案した。従来のワイヤレス給電システムでは、可変整合回路や負荷圧縮回路といった追加コンポーネントによって位置変動に対応してきた。ペイロードの小さい点検ドローンには軽量かつシンプルな給電システムが適することから、初年度に解明した給電・受電点の相対位置と高周波電源の最先端の研究成果である負荷非依存インバータの組み合わせにより解決を試みた。結果、水流による伝送距離・位置変動に対して、システム効率を最大限維持しつつ、エネルギーの無駄を自動抑制する給電システムを構築した。
|