• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

多能性幹細胞から発生起源の多様性を反映した骨格筋への誘導と筋疾患研究への応用

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ1636
補助金の研究課題番号 20J01478 (2020-2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2020-2022)
応募区分国内
審査区分 小区分49030:実験病理学関連
研究機関京都大学

研究代表者

本田 充 (2020-2021, 2023)  京都大学, iPS細胞研究所, 特別研究員(CPD)

特別研究員 本田 充 (2022)  京都大学, iPS細胞研究所, 特別研究員(CPD)
研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード筋ジストロフィー / FSHD / DUX4 / 多能性幹細胞 / 機能ゲノミクス / 遺伝子発現制御 / 骨格筋疾患 / 分化誘導 / クロマチン構造 / ヒト多能性幹細胞
研究開始時の研究の概要

本研究では、発生学的知見に基づいたヒトiPS細胞の部位特異的な骨格筋細胞系列への誘導法に確立と、疾患iPS細胞モデルと最先端の機能ゲノミクス手法を組み合わせることで、疾患特異的な遺伝子発現制御機構の解明を軸とした疾患の理解と、ヒト疾患を研究することでしか得られない生物学的知見を見出すことを目標としている。特に、骨格筋疾患の一つである顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーについて、その特異な原因遺伝子の発現制御機構を重点的に解明する。

研究実績の概要

本研究は、ヒト多能性幹細胞の利点を活かしながら、機能ゲノミクス的観点と発生学的観点からのアプローチによって顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)の病態理解を目指している。特に、FSHD発症において重要な転写因子DUX4の発現様式のメカニズムに着目している。まず、機能ゲノミクス的観点のアプローチにおいては、疾患特異的なクロマチン構造やエピジェネティックな特徴の理解を深めるため、クロマチン免疫沈降法や前年度から追加でのオープンクロマチン状態評価のための次世代シーケンサー解析について、細胞サンプル調整、ライブラリー作製、シーケンシングを実施し興味深い結果を得た。それらに基づくDUX4遺伝子発現の疾患特異的な発現制御機構の仮説を立証するため、ゲノム編集によって様々な変異導入株を作製し、筋分化時のDUX4発現量の評価をリアルタイムqPCRで行い有意義な結果を得た。次世代シーケンスデータ解析上の問題となっていたリピート領域のアライメントについて、アライメントツールのオプションの至適化を行うことで当該領域の定量評価が可能となった。また、ロングリードシーケンサーによる解析を行い、実際に用いている疾患株の配列を取得することで、アライメントの際に実際の使用細胞と異なる公共のレファレンスゲノムの配列を用いない、正確なショートリードシーケンサー解析パイプラインの準備を行なった。発生学的アプローチの観点からは、新規分化誘導法の確立については、現状の分化誘導系が安定して行えていることから進展はなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

機能ゲノミクス的観点のアプローチにおいては、次世代シーケンスを用いるいくつかの解析手法について初めて行う実験系も含めて実施し、有意義な結果を得ることができた。さらに、ロングリードシーケンスを用いる実験系を研究計画に新たに取り込んだことによって、従来想定していたより多くの情報が得られる展望ができた。また、重要な進展として、FSHDの発症に関わるリピート領域について、次世代シーケンスで得られたリードが通常のマッピングツールではアライメントされない問題があったが、ツールのオプションパラメーターの比較検討によって解決した。これにより、すでにこれまでに得られていたショートリードシーケンスのデータの再評価や、今後計画している様々な解析の定量評価が可能となった。仮説検証のための様々な変異導入クローンを作製し、筋分化クローンも複数株作製して、筋分化後のDUX4遺伝子発現量の影響をみたところ、仮説をサポートする結果を得た。一方、発生学的観点のアプローチについては、新規分化誘導法の検討については有意義な進展は得られなかった。

今後の研究の推進方策

機能ゲノミクス的観点のアプローチにおいては、得られた重要な疾患特異的エピジェネティックマーカーについて、追加でChIP, Cut&Run, ATACなどを行い、より詳細に特長を見る。変異株作製についてはさらに仮説実証に必要な変異導入株を作製し、順次DUX4発現への影響を評価する。さらに、こうした変異株について、DUX4プロモーター領域などのクロマチン構造を明らかにするため、Capture-C解析を行う。さらに、優位にコンタクトが見られた領域については、すでに別研究課題にて確立したdCas9-KRABの系を用いて、その制御領域としてのポテンシャルを評価する。発生学的アプローチについては、必要に応じて、分化誘導系の系統特異的な転写因子応用法を検討する。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] IBBTEC,University of Cantabria(スペイン)

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [雑誌論文] Is epigenome editing non-inheritable? Implications for ethics and the regulation2023

    • 著者名/発表者名
      Mitsuru Sasaki-Honda, Kyoko Akatsuka, Tsutomu Sawai
    • 雑誌名

      Stem Cell Reports

      巻: 18 11 号: 11 ページ: 20052009-20052009

    • DOI

      10.1016/j.stemcr.2023.10.003

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Generation of a transgene-free iPSC line and genetically modified line from a facioscapulohumeral muscular dystrophy type 2 (FSHD2) patient with SMCHD1 p.Lys607Ter mutation2020

    • 著者名/発表者名
      Sasaki-Honda Mitsuru、Kagita Akihiro、Jonouchi Tatsuya、Araki Toshiyuki、Hotta Akitsu、Sakurai Hidetoshi
    • 雑誌名

      Stem Cell Research

      巻: 47 ページ: 101884-101884

    • DOI

      10.1016/j.scr.2020.101884

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 海外での研究や生活の実際(スペイン編)2024

    • 著者名/発表者名
      本田充
    • 学会等名
      第8回 若手による骨格筋細胞研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] dCas9を用いた 筋ジストロフィー原因遺伝子DUX4の hit-and-run silencing2022

    • 著者名/発表者名
      本田充
    • 学会等名
      日本ゲノム編集学会第7回大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Hit-and-run silencing of endogenous DUX4 by targeting DNA hypomethylationon D4Z4 repeats in in vitro FSHD-iPSC model2022

    • 著者名/発表者名
      Mitsuru Sasaki-Honda
    • 学会等名
      the 29th Annual FSHD International Research Congress (IRC)
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Philosophical Reflections on Value of Intractable Diseases2022

    • 著者名/発表者名
      Mitsuru Sasaki-Honda
    • 学会等名
      the 16th World Congress of Bioethics
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 国際患者会のこと・研究の展望・海外生活2022

    • 著者名/発表者名
      本田充
    • 学会等名
      「第3回FSHDオンライン交流会」日本筋ジストロフィー協会 FSHD分科会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 第1部:障害のある研究者の声と実態2022

    • 著者名/発表者名
      本田充
    • 学会等名
      生命科学ジェンダー・ダイバーシティ分科会第3回公開シンポジウム 日本学術会議第二部生命科学ジェンダー・ダイバーシティ分科会、日本学術会議科学者委員会男女共同参画分科会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] Modeling disease-specific gene regulation of facio-scapulo-humeral muscular dystrophy (FSHD)2021

    • 著者名/発表者名
      Mitsuru Sasaki-Honda
    • 学会等名
      ASHBi Symposium 2021
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)細胞における エピゲノム編集によるDUX4 遺伝子の持続的抑制2021

    • 著者名/発表者名
      本田充
    • 学会等名
      第7回日本筋学会学術集会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] エピゲノム編集による顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー原因遺伝子の抑制2020

    • 著者名/発表者名
      本田充、櫻井英俊
    • 学会等名
      第6回骨格筋学術集会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書

URL: 

公開日: 2020-07-07   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi