研究課題/領域番号 |
22KJ1650
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補助金の研究課題番号 |
21J01383 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
武田 紘樹 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 重力波 / 重力 / 一般相対性理論 / 修正重力理論 / 拡張重力理論 / 重力理論検証 / 偏極モード / コンパクト連星合体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではコンパクト連星合体からの重力波の偏極モード探査によって重力理論を強重力場で検証する。一般相対性理論は非線形で動的な理論であるため、非線形効果のより働く強重力場での動的な検証が必要とされている。一般相対性理論から拡張された重力理論はテンソルモードと非テンソルモードの混合を予言する。そこで、拡張重力理論における混合偏極モードの波形モデルによって、現実の拡張重力理論の偏極モード探査を実施する。その際、重力波の生成過程を考慮することによって、偏極モード探査を拡張重力理論に最適化し高感度化する。
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研究実績の概要 |
本研究は重力波の偏極モード探査によって、重力理論を検証することを目的としている。これまでのコンパクト連星合体からの重力波を用いた検証では、それぞれの偏極モードが波形補正なしで個別に探査されてきた。しかし、実際の拡張重力理論では、重力波は偏極モードの混合になっているため、このような探査では現実の拡張重力理論を検証することができない。そこで、双極子放射スカラーモード、四重極放射スカラーモード、テンソルモードからなる波形モデルを構築した。この際、余分なエネルギー損失による連星軌道運動の補正を考慮した。この波形モデルを用いて観測データを解析することで、GW170814とGW170817に対して強重力場域において初めて一般相対性理論と矛盾しない制限を付加的な偏極モードに与えた。さらに、ストレス・エネルギーテンソルの修正を考慮することで、より一般的な生成過程におけるスカラーテンソル偏極波形モデルを構築した。現在は、この波形モデルを用いて、中性子星・ブラックホール合体の重力波信号をHorndeski理論の枠組みで解析している。また、第五の力の実験など太陽系実験による制限をもとに、スカラーモードを地上の重力波望遠鏡ネットワークで検出する可能性について検討した。重力波の位相進化に対する制限は余分なエネルギー損失がテンソルモードと同程度以下であることを示している。この観測事実と太陽系実験による重力ポテンシャルに対する制限を組み合わせることで、許されるスカラーモードの振幅は地上重力波望遠鏡の検出限界と同程度であることを示した。スカラーモードの検出には、偏極モード探査の重ね合わせ手法の開発が必要となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の本研究課題の計画通りに、混合偏極モード探査を実現し一般相対性理論を超える偏極モードに対して初めて強重力場での制限を得ることができた。さらに、偏極モードの波形モデルをストレス・エネルギーテンソルの補正を考慮して一般化した。また、第五の力の実験などの太陽系実験の結果をもとに、地上の重力波望遠鏡でスカラーモードを検出できる可能性について理論的な検討を行った。以上のような実績を踏まえ、当初の計画以上に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、スカラーテンソル偏極波形モデルを用いた観測データの解析によって、初めて強重力場で一般相対性理論と矛盾しない観測的制限を得ることができた。2023年度は、構築したより一般的な波形モデルを用いて、Horndeski理論の枠組みで実データを解析し、より多くの理論に対して重力波の自由度に観測的制限を与える。その観測結果の解釈のために、付加的な偏極モードの存在が一般相対性理論による解析に与える影響について調べる。これは、偏極モード検証における重ね合わせ手法の確立にも必要な要素となっている。
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