研究課題/領域番号 |
22KJ1651
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補助金の研究課題番号 |
21J01450 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石崎 渉 京都大学, 基礎物理学研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 高エネルギー天体物理 / ガンマ線バースト / マルチメッセンジャー天文学 / 連星中性子星合体 / ブラックホール / パルサー / 高速電波バースト / 高エネルギー天体物理学 |
研究開始時の研究の概要 |
連星中性子星合体GW170817に伴うショートガンマ線バーストGRB170817Aは、ガンマ線バースト本体のみならずジェットの残光放射やr過程元素合成といった極限環境の物理現象に関する多大な観測的事実のインプットを加えた。しかしながら、その放射メカニズムについては未解明のままであり、これは中心天体の正体が明らかになっていないことが主要な要因である。そこで、本研究では、ショートガンマ線バーストの爆発後に続く10秒から10000秒程度の比較的長いX線放射から中心天体の情報を取り出すことを目指し、磁気流体計算および現象論モデルを構築し、これを調査している。
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研究実績の概要 |
本課題では、ショートガンマ線バースト(sGRB)の中心エンジンの正体を解明するために、sGRBのプロンプト放射の後にみられる、10秒から10000秒程度と比較的長く続くX線放射に注目して研究を行っている。また、本年度からは当初の計画に加え、極限プラズマの加熱に関する素過程の理論研究を行っている。 本年度は、主に後者に関するテーマである、相対論的な磁化率を持ったプラズマ中での磁気流体波動の非線形相互作用を調査した。その結果、太陽磁気圏におけるプラズマ加熱の文脈で議論される波動加熱モデルを、コンパクト連星をはじめとした極限環境にも応用可能な形に拡張することができた。得られた結果は、ガンマ線バーストの中心エンジンだけでなく、コンパクト連星が起源天体の候補の一説とされている高速電波バーストの放射メカニズムの解明にまで波及することが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度から開始したプラズマ加熱の素過程に関する研究について、得られた結果をまとめた雑誌論文を準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、プラズマ加熱の研究をさらにすすめ、ショートガンマ線バーストの中心エンジンのみならず、高速電波バーストや活動銀河核といった高エネルギー現象のモデルへ適用する。さらに、来年度から開始される重力波望遠鏡のO4観測で得られる最新の観測事実に注意を払いつつ、fallback降着モデルの詳細を詰めていく。
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