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「ジェノサイド」の過去を継承する教育実践の実証的研究:教師の経験と認識に注目して

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ1654
補助金の研究課題番号 21J01567 (2021-2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2021-2022)
応募区分国内
審査区分 小区分09020:教育社会学関連
研究機関中京大学 (2023)
京都大学 (2021-2022)

研究代表者

千田 沙也加  中京大学, 教養教育研究院, 講師 (30914923)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワードカンボジア / ポル・ポト政権 / ジェノサイド / 歴史認識 / ポル・ポト政権期 / ジェノサイドの歴史 / 犠牲者中心 / 記憶の継承 / ジェノサイド歴史
研究開始時の研究の概要

本研究は、カンボジアの民主カンプチア期(1975-1979年)に経験した「ジェノサイド」に着目し、この経験を継承する教育実践について考察を行う。特に、学校教育で実践される歴史の授業に際し、現場の教師たちが「ジェノサイド」にいかに向き合い、いかにそれを継承するのか、教師の経験と認識の差異に注目して検証を行う。現在のカンボジアは、「ジェノサイド」が行われた時代を生きた教師から、未経験の教師へ交代する、教師の歴史経験の転換期にある。本研究の目的は、教える側の人間における経験の非共有性を乗り越えて、負の自国史である「ジェノサイド」の過去を継承し、生かすことができるのか明らかにすることである。

研究実績の概要

本研究は、カンボジアのポル・ポト政権期におきた大規模暴力(「ジェノサイド」)をめぐり、経験の差異がある現在の教師たちが、いかにこの過去を受け止めて、どのように次の世代へ継承しようとしているか明らかにするものである。ポル・ポト政権期の終焉から 40 年以上が経過した現在、ポル・ポト政権期を生きた教師は高齢化し、教職を離れつつある。ポル・ポト政権期後は政治的な影響から、ポル・ポト政権期のカリキュラム内の扱いは、数度にわたって変遷してきた。反ポル・ポト思想を形成する時期や、全て削除された時期もあった。現在の社会科及び歴史教師はいかなる教育を受け、また、ポル・ポト政権期の過去をどのように継承してきたのか、そしてそれをどのよう捉えており、次の世代へどのように教えようとしているのかを明らかにすることが本研究の目的である。
前年度までに、カリキュラムや教科書、教材分析から教育内容の変遷をまとめ、現地での聞き取り調査を実施して基礎的なデータを収集した。2023年度は、長く内戦が続いていたバッタンバン州でフィールドワークを行い、中学の社会科、高校で歴史を教える立場にある幅広い年代の教師を対象に、学習経験(家庭内の継承、実体験を含む)と授業実践についての聞き取り調査を実施した。主な結果として、ポル・ポト政権期後の社会主義国期には、反ポル・ポト思想としてポル・ポト派を憎む教育が行われており、その時代を生きた教師たちは、自らの経験と重ねて、怒りの感情とともに受け止めていた。しかし現在の認識として、平和のためにポル・ポト政権の成り立ちやポル・ポト政権期の人びとの暮らしを教育することが重要であるとした。それは、学校教育でほとんどポル・ポト政権期について学んでいない世代の教師や、長く内戦が続いていた地域の教師にも共通する認識であることが明らかとなった。

報告書

(3件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (15件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] カンボジアにおける学校事務の制度と経営にみる「関係の文化」 ―プノンペン州小・中学校の調査から―2024

    • 著者名/発表者名
      千田沙也加
    • 雑誌名

      中京大学教師教育論叢

      巻: 13 ページ: 67-78

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [雑誌論文] 現代カンボジアの歴史教材記述にみるポル・ポト政権期2022

    • 著者名/発表者名
      千田 沙也加
    • 雑誌名

      アジア教育

      巻: 16 号: 0 ページ: 64-76

    • DOI

      10.32302/ajiakyouiku.16.0_64

    • ISSN
      1882-2088, 2434-9917
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] カンボジアにおける凄惨な過去の継承に関する予備的考察 : 教師教育者の経験と語りから2022

    • 著者名/発表者名
      千田沙也加
    • 雑誌名

      愛知工業大学研究報告

      巻: 57 ページ: 21-30

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] カンボジアにおける学校教育の変化と教師の対応 : ポル・ポト政権期前後を生きた教師のライフヒストリーから2021

    • 著者名/発表者名
      千田沙也加
    • 雑誌名

      中部教育学会紀要

      巻: 21 ページ: 58-73

    • NAID

      40022655466

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本のイスラーム保育園における多文化保育の実践2021

    • 著者名/発表者名
      エル・アマンダ・デ ユリA・S、ムクリサフ アズミ、アズハリヤ アユ、内田 直義、神内 陽子、千田 沙也加
    • 雑誌名

      国際幼児教育研究

      巻: 28 号: 0 ページ: 099-117

    • DOI

      10.34567/iaece.28.0_099

    • NAID

      130008145780

    • ISSN
      1880-2354, 2435-8797
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] The value of “can”: Teachers’ adaption, appropriation, and change in Cambodia2023

    • 著者名/発表者名
      SENDA Sayaka
    • 学会等名
      the 13th Biennial Conference of the Comparative Education Society of Asia (CESA 2023)
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] カンボジアにおける学校事務の 制度と経営にみる 「関係の文化」―プノンペン州小・中学校の調査から―2023

    • 著者名/発表者名
      千田沙也加
    • 学会等名
      東南アジア教育研究フォーラム
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] ポル・ポト政権期に関する学校教育の変容2023

    • 著者名/発表者名
      千田沙也加
    • 学会等名
      日本比較教育学会 第59回大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] ブックトーク 『カンボジア「クルー・チャッタン」の時代 ―ポル・ポト時代後の初等教育―』2023

    • 著者名/発表者名
      千田沙也加
    • 学会等名
      日本比較教育学会 第59回大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] カンボジアにおける凄惨な過去の継承に関する予備的考察-教師教育者の経験と語りから-2022

    • 著者名/発表者名
      千田沙也加
    • 学会等名
      第58回日本比較教育学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] カンボジアにおける凄惨な過去の継承に関する予備的考察―教師教育者の経験と語りから―2022

    • 著者名/発表者名
      千田沙也加
    • 学会等名
      第16回日本カンボジア研究会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 1990 年代以降のカンボジアにおける教育の量/質的な変容の特質2022

    • 著者名/発表者名
      千田沙也加
    • 学会等名
      第6回東南アジア教育研究フォーラム
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 現代カンボジアの歴史教科書にみるポル・ポト政権期―継承の課題と可能性―2021

    • 著者名/発表者名
      千田沙也加
    • 学会等名
      アジア教育学会第16回大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 体制移行後のカンボジアにおける教育政策の変遷―国際教育援助の潮流と現場の反応をふまえて―2021

    • 著者名/発表者名
      千田沙也加
    • 学会等名
      第5回東南アジア教育研究フォーラム
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [図書] カンボジア「クルー・チャッタン」の時代2023

    • 著者名/発表者名
      千田 沙也加
    • 総ページ数
      260
    • 出版者
      東信堂
    • ISBN
      9784798918044
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2021-05-27   更新日: 2024-12-25  

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