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地震時挙動を考慮した鉄筋コンクリート造建物の構造性能評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ1664
補助金の研究課題番号 21J20183 (2021-2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2021-2022)
応募区分国内
審査区分 小区分23010:建築構造および材料関連
研究機関京都大学

研究代表者

山田 諒  京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード鉄筋コンクリート / 耐震壁 / 水平二方向加力 / 変動軸力 / 実験データベース / 脚部すべり破壊 / せん断破壊 / 矩形断面
研究開始時の研究の概要

近年の建物の構造計算では,弾塑性増分解析を建物の主要な直交二方向それぞれに行い,検討方向と直交する架構の影響は無視することが多い。一方で,地震時の建物には三次元の地震力が入力される。従って,設計時の仮定と異なり,鉛直部材には水平二方向力と変動軸力が作用する。特に鉄筋コンクリート造耐震壁は建物に強度と剛性を与える重要な要素であり,地震時の実挙動に即した適切な設計法の確立は急務である。従って,本研究では三次元の地震力が入力された際の鉄筋コンクリート造耐震壁の設計法について検討を行う。

研究実績の概要

地震時,鉄筋コンクリート造耐震壁部材には面外方向変形が発生し,さらに梁のせん断力および転倒モーメントによる変動軸力が同時に入力される。また,耐震壁部材の破壊モードとしては曲げ破壊,せん断破壊,脚部すべり破壊が見られるが,これらの各破壊時の耐力について正確に評価することが設計においては重要となる。三方向載荷条件が各耐力に及ぼす影響について,単一試験体に対して検討を行った例は数多く存在するが,これらの検討結果を用いて,設計において三方向載荷条件を考慮する必要性について議論した例は存在しない。
このような研究の現状を受け,本年度は三方向載荷条件が面内方向せん断終局耐力に及ぼす影響について,実験データベースを用いて検討を行った。前年度提案した耐力評価手法による耐力算定値の,面内一方向加力時の耐力算定値に対する比を耐力残存率として算出することで,以下の2点について検討を行った。1点目としては,実験時の最大耐力のせん断終局耐力計算値に対する比を余裕度と定義し,耐力残存率との積をとることによって,面外方向加力時の余裕度を算出した。設計において頻繁に用いられる広沢mean 式による余裕度の平均値は,面外方向変形がない場合と比べ,面外方向変形角1.50%時では9%低下した。2点目としては,試験体の各パラメータと耐力残存率の関係を検討し,面外方向変形によって耐力低下が発生しやすい試験体諸元について検討した。壁横筋比および主筋比が小さい場合,内法高さを端部拘束領域幅で除した値が大きい場合に耐力残存率の低下傾向が大きくなると推察された。
以上の検討に加え,前年度載荷実験を実施した,脚部すべり挙動が支配的となった試験体に対して,耐力評価法を検討した。評価には,井戸硲らの手法を用いた。検討の結果,変動軸力を伴う繰り返し載荷においては,摩擦係数が低下し,脚部すべり破壊が発生しやすいことが推察された。

報告書

(3件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 三方向加力条件が鉄筋コンクリート造耐震壁のせん断終局耐力に及ぼす影響2024

    • 著者名/発表者名
      YAMADA Ryo、TANI Masanori、NISHIYAMA Minehiro
    • 雑誌名

      日本建築学会構造系論文集

      巻: 89 号: 815 ページ: 86-97

    • DOI

      10.3130/aijs.89.86

    • ISSN
      1340-4202, 1881-8153
    • 年月日
      2024-01-01
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 面外方向載荷条件が鉄筋コンクリート造耐震壁のせん断性状に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      山田諒,谷昌典,西山峰広
    • 雑誌名

      構造工学論文集B

      巻: 69B 号: 0 ページ: 256-267

    • DOI

      10.3130/aijjse.69B.0_256

    • ISSN
      0910-8033, 2436-6285
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 三次元載荷条件を考慮した鉄筋コンクリート造耐震壁のせん断終局耐力評価手法2022

    • 著者名/発表者名
      YAMADA Ryo、TANI Masanori、NISHIYAMA Minehiro
    • 雑誌名

      日本建築学会構造系論文集

      巻: 87 号: 802 ページ: 1225-1236

    • DOI

      10.3130/aijs.87.1225

    • ISSN
      1340-4202, 1881-8153
    • 年月日
      2022-12-01
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Tri-Directional Loading Tests on Reinforced Concrete Shear Walls2022

    • 著者名/発表者名
      Ryo Yamada, Masanori Tani, and Minehiro Nishiyama
    • 雑誌名

      ACI Structural Journal

      巻: 119 号: 5 ページ: 129-140

    • DOI

      10.14359/51734796

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Tri-directional Loading Tests on RC Shear Walls2022

    • 著者名/発表者名
      Yamada Ryo, Tani Masanori, Nishiyama Minehiro
    • 雑誌名

      ACI Structural Journal

      巻: -

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 鉄筋コンクリート造耐震壁の脚部すべり挙動に三方向加力条件が及ぼす影響(その1)~(その3)2023

    • 著者名/発表者名
      山田諒,山田英輝,村瀬仁,谷昌典,西山峰広
    • 学会等名
      日本建築学会大会(近畿)学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 鉄筋コンクリート造矩形断面耐震壁の三方向加力実験(その1:実験概要および面内一方向加力試験体の実験結果)2022

    • 著者名/発表者名
      山田諒,山田英輝,松尾康平,谷昌典,西山峰広
    • 学会等名
      日本建築学会大会(北海道)学術講演会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Bi-directional Loading Tests on RC Shear Walls Subjected to Varying Axial Load2022

    • 著者名/発表者名
      Yamada Ryo, Tani Masanori, Nishiyama Minehiro
    • 学会等名
      Taiwan-Korea-Japan Joint Seminar on Earthquake Engineering for Building Structures 2022
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 軸力条件の異なる鉄筋コンクリート造耐震壁の水平二方向加力実験(その6:各実験変数が構造性能に及ぼす影響に関する検討)2021

    • 著者名/発表者名
      山田諒,須貝太郎,松尾康平,谷昌典,西山峰広
    • 学会等名
      日本建築学会大会(東海)学術講演会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

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公開日: 2021-05-27   更新日: 2024-12-25  

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