研究課題/領域番号 |
22KJ1719
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補助金の研究課題番号 |
21J23063 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西嶋 泰樹 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | トポロジカル結晶絶縁体 / 反転対称性 / 非線形 / 光電流 / 非線形ホール効果 / ベリー曲率ダイポール / 強誘電 / 非線形planarホール効果 |
研究開始時の研究の概要 |
トポロジカル結晶絶縁体材料、PbSnTeの表面状態に着目した実験を行う。これまでに、強誘電性の原子変位とトポロジカル表面状態の協奏に由来するベリー曲率双極子の不揮発なスイッチング効果の観測に成功している。これはトポロジカル結晶絶縁体の表面状態が電気的に観測可能であることを示す結果である。表面状態ではスピン縮退が解けており、スピン運動量ロッキング効果を有していることが期待できる。この効果を用いた電流スピン流変換機構について、スピントルク強磁性共鳴法を用いることで調査する。
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研究実績の概要 |
時間反転対称性と空間反転対称性が同時に破れた系で,直線偏光の照射による光電流(Injection電流)が報告されている.本研究ではエッジ領域にスピン蓄積させたPt細線に対して,偏光角を制御した直線偏光を照射し,生じる光電流をマッピングする実験を行い,Pt,W,Cuにおいて上記のようなInjection電流が生じることを実験的に確かめた.観測された光電流は蓄積しているスピンの向きやエッジの向き,直線偏光の角度に依存しており,時間反転対称性と空間反転対称性が同時に破れて生じるInjection電流であるという証拠を得た.また,Cuでのスピンホール効果によるスピン蓄積を反映したInjection電流も観測されており,スピン軌道相互作用の小さい軽金属のスピンホール効果を確認することができる手法であることが示唆された.このようなエッジ領域における対称性の破れに基づく現象の観測は,材料の物理状態を確認する上で有効な手法であり,トポロジカル絶縁体をはじめとする新規材料の探索を加速することが期待される成果である.前年度にはトポロジカル結晶絶縁体において対称性の破れに起因する非線形ホール効果,およびそのスイッチングに成功しており,研究期間全体を通して,対称性の破れに起因する伝導現象を新たな材料や系において観測しており,トポロジカル結晶絶縁体の物理現象の理解を深めるうえで重要な研究成果を報告することができた.スピン蓄積によるエッジ領域での光電流の観測は,電流-スピン流変換現象を観測する新たな手法であり,トポロジカル結晶絶縁体の電流-スピン流変換現象の観測,定量化へと展開可能な成果である.
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