研究課題/領域番号 |
22KJ1726
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補助金の研究課題番号 |
21J23154 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分60030:統計科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上村 京也 (2021, 2023) 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(DC1)
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特別研究員 |
上村 京也 (2022) 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | スパースモデリング / 帯観測 / マススペクトル / 質量分析 / 圧縮センシング / バイオインフォマティクス / 低分解能観測 / QMS |
研究開始時の研究の概要 |
質量分析では一般的に,狭い測定窓を用いた測定範囲の走査によって測定感度を犠牲にして高解像度マススペクトルを得る.本研究では測定窓を広げて行う帯観測という観測手法を設計し,これとスパース推定手法を組み合わせることで測定感度と測定精度の両立を図る.また,こうした方法で得られる質の高いマススペクトルデータセットをもとに包括的なタンパク質同定システムを構築することを目的とする.
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研究実績の概要 |
本研究では,幅広の測定窓を走査して測定信号を取得するプロセスを帯観測過程と定義し,これとスパース推定手法を組み合わせることで,計測対象(特にスパーススペクトル)を高精度・高感度で推定する技術についての検討を行ってきた. 本年度で実施した研究成果は以下の3点である. まず「帯観測に基づくスパーススペクトル推定」に関する研究について,内容を論文にまとめ,IEEE Transactions on Signal Processingに投稿し,受理された. また,この「帯観測に基づくスパーススペクトル推定技術」を実際のマススペクトル測定系に適用するために行っていた,ポアソン-アーランモデルに基づくマススペクトル推定の研究について,ポアソン-アーランモデルで仮定している観測信号の生成素過程と実際のマススペクトル測定信号の生成過程との間の乖離を新たに指摘し,これを改善するためにポアソン-アーランモデルを包含するより広いモデルクラスである複合ポアソン-ガンマモデル及びTweedieモデルを用いた観測信号モデリングを検討した.その上で,これらの確率モデルに基づくL1正則化付き最尤推定量を求めるためのアルゴリズムの導出を行い,これを実装した.現時点で,提案手法を用いることで対象としているマススペクトル装置(四重極質量分析計)の限界を超える質量分解能,特に2価以上のイオンの同位体ピークを識別可能な分解能,でのマススペクトルを得ることに成功している. 最後に帯観測モデルのタンデム質量分析(MS/MS)への適用について,昨年度検討していたSparse Group Lasso (SGL)を用いたMS/MSスペクトログラム推定のフレームワークに関する具体的な測定プロセスの定式化や最適化アルゴリズムの高速化を行なった.
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