研究課題/領域番号 |
22KJ1736
|
補助金の研究課題番号 |
21J23208 (2021-2022)
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
唐 佳潔 京都大学, 地球環境学舎, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2021年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | 自然由来汚染土壌 / ヒ素溶出 / トンネル掘削岩石 / 溶出挙動 / 環境曝露条件 / 逐次抽出 / 溶出試験 |
研究開始時の研究の概要 |
自然由来の重金属を含む土壌や岩石の適切処分と再資源化に向け、環境安全性評価方法を開発するための研究が行われた。トンネル掘削により採取された堆積泥岩と火成貫入岩を使用し、液固比や接触時間を変えたバッチ溶出試験、上向流カラム試験を行い、ヒ素の溶出特性を試験して環境安全性を評価した。地質変化による溶出挙動の変化にも着目し、火成岩の侵入や熱水変質がヒ素の移動や溶出特性に及ぼす影響を調査した。大型カラム試験も行い、間隙降水による岩石中のヒ素移動過程や挙動を調べた。
|
研究実績の概要 |
本研究は土木工学における環境地盤工学上の課題を研究し、建設工事や、自然災害によって発生する、自然由来の重金属等を含む低濃度汚染土の有効利用(盛土)に向けた取り組みを進めてきた。低濃度汚染土の有効利用する時、盛土が実現場での環境曝露条件を考慮した長期に渡る溶出特性評価が求められている。 研究方法として、本研究では自然由来のヒ素を含む3種類の土を使用し、評価試験や、数値解析など、様々な研究を実施した。具体的には、東日本大震災で発生した津波堆積物、トンネル掘削工事で発生した泥岩、および貫入岩に由来する土について、加水と乾燥を繰り返して供試体を作製し、溶出試験を実施することで、土の風化が重金属等の溶出特性に及ぼす影響を評価した。溶出試験後には、土粒子の表面をSEM-EDSによって観察して元素分布を評価することで、ヒ素等の溶出メカニズムを考察した。また、簡易なバッチ振とう試験から溶出特性に関するパラメータを取得し、表計算ソフトを用いた数値解析手法の開発にも取り組んだ。そして、長期間に渡る通水式のカラム試験も実施し、解析のフィッティング結果を確認した。 3種類の低濃度汚染土に乾湿繰り返しの影響を与えることで、ヒ素の溶出濃度が大きくなる結果が得られた。溶出試験や、SEM-EDS分析によって溶出メカニズムを考察したところ、津波堆積物や泥岩に含まれるヒ素は黄鉄鉱の酸化に、貫入岩中のヒ素は熱水変質などの地質的変化に関連することが明らかになった。また、長期の溶出特性の予測を目指した研究では、土粒子(固相)から液相に移動しうる化学物質の量に着目し、バッチ溶出試験からパラメータを取得して移流分散解析を行うことで、NaやAsなどの元素についてのカラム試験での溶出挙動を予測できる可能性を示した。 これらの結果をジャーナル(査読あり)3編、学会発表4件(国際1件)を発表した。
|