研究課題/領域番号 |
22KJ1740
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補助金の研究課題番号 |
21J23225 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 孝平 京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2023年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2022年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2021年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 高大接続 / 高等教育への移行 / 教育接続 / 探究学習 / 移行 / トランジション / 対話型論証 / 連続性と非連続性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,高校で探究学習を経験した学習者を対象として,高校-大学-大学卒業後にわたって調査することによって,高校と大学の接続(高大接続)に向けた高校の探究学習モデルを構築することである。具体的には,進学校からエリート型の大学へ進学した学生と,進路多様校や進学中堅校からマス型の大学へと進学した学生を対象として,継続的・縦断的にインタビュー調査を実施することで,学生は高校から大学へどのように移行するのかを検討する。このような検討を通して,高大接続における学生の移行概念を再構成するとともに,このような検討を通して,高大接続に向けた高校の探究学習に対して具体的な提言を行う。
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研究実績の概要 |
1. 高校の探究学習を通じた高大接続に関する実証的検討――マス型の大学で学ぶ学生にとって,高校での探究学習の経験が大学での学びにどのようにつながるのかについてインタビュー調査を通じて明らかにした。その結果,正課教育における教育内容・教育方法の側面から接続が検討されてきた従来の高大接続から,部活動や日常生活など,正課外の側面を含めた高大接続へと議論を拡張する必要性を提起した。また,「難関大学」「大学附属高校」「ボーダーフリー大学」を対象とした質的・量的な検討によって,高大接続のセグメント化の実態を浮き彫りにした。
2. 高校の探究学習の事例に関する実践的検討――これまでの先進的な実践を批判的に捉え直し,探究学習の多様性を描き出すとともに,中等教育における探究学習の固有性を浮き彫りした。特に,私は共同研究者とともに,広尾学園中学校高等学校 医進・サイエンスコースにおける「研究活動」を軸とした探究のカリキュラムの様相を紹介した。また,SSH・SGH 指定校における研究開発について計量テキスト分析を実施し,研究開発の中核である探究学習のカリキュラム編成の意図についての分析を通じて探究学習を研究する際の視点を提示した。
3. 高大接続における移行概念についての実証的・理論的検討――従来の「高等教育への移行」とそれに代わる「生成(becoming)」の対比をふまえ,日本人学生が経験した「高等教育への移行」の経験を明らかにすることによって,高等教育への移行の考え方を再構成する手がかりを得た。また,国内で用いられている高大接続と,欧米で用いられている高等教育への移行という概念を踏まえて,両者をどのように統合して再構成することができるかという問題意識をもとに,今後の研究構想についてを発表した。
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