研究課題/領域番号 |
22KJ1746
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補助金の研究課題番号 |
21J23246 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小南 薫 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2023年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2022年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2021年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 破僧事 / 根本説一切有部律 / 説話 / 破僧 / デーヴァダッタ / 仏伝 / 「破僧事」 / 破僧定義 / 『根本説一切有部律』 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究が研究対象とするのは、仏滅後のインドにおける有力部派(教団)の一つ、根本説一切有部が伝える律蔵である根本説一切有部律の「破僧事」という、多くの説話を含む文献である。 本研究の概要は「破僧事」の基礎研究と内容分析を行うことである。基礎研究については、梵文写本を用い、蔵訳と漢訳を比較対照した批判校訂テキストの作成とそれに基づいた翻訳を進め、その全容の解明を試みる。内容分析については、他の部派が伝持する律蔵や関連文献との比較を通じて、「破僧事」の仏伝とデーヴァダッタ説話の分析を行い、説話の構造や成立過程を解明する。さらに、その主題である「破僧」の位置付けを明確にする。
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研究実績の概要 |
最終年度となる今年度も、初年度、昨年度に引き続き、仏滅後のインドにおける有力部派(教団)の一つ、根本説一切有部が伝持する律蔵である根本説一切有部律の中の「破僧事」について、基礎研究と内容分析を行った。また、2023年2月~2024年2月にはカナダのマクマスター大学に留学し、受入研究者であるShayne Clarke准教授に指導を受けつつ、研究を進めた。 基礎研究については、梵文写本を用い、蔵訳と漢訳を比較対照した批判校訂テキストの作成とそれに基づいた翻訳を進めた。「破僧事」後半部分のデーヴァダッタ説話のテキスト研究については、梵文写本の解読、和訳等については一通り完了し、チベット語訳・漢訳の対照テキストを作成中である。一方、前半部分の仏伝については、内容分析の方に大きく研究時間を割いたため、部分的な批判校訂テキストと和訳の作成にとどまったため、今後基礎研究に重点を置きつつ、随時内容分析を進めることを計画している。 内容分析については、昨年度得られた成果の論文化を進めている。また、留学中には、Clarke准教授の指導のもと、「破僧事」に見られる説話の分析を行う中で、新たな課題も得られたため、それについても次年度以降、検討を進める予定である。 博士論文については未完成であるが、助成により基礎研究と内容分析を大きく進めることができ、博士論文の土台を作ることができた。今後は文献の読解のみならず、より多角的な方面からの考察を行っていきたい。
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