研究課題/領域番号 |
22KJ1765
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補助金の研究課題番号 |
22J00043 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 (2023) 京都大学 (2022) |
研究代表者 |
鎌田 泰輔 滋賀医科大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 動機づけ |
研究開始時の研究の概要 |
我々ヒトは日頃、勉学、仕事、スポーツにおいて、現状よりも高い目標を設定する。自分の行動に思ったような結果が伴わなかった期待外れの場合でも、すぐに諦めるのではなく、むしろこれを乗り越えようとすることで将来の成功につなげる。このような期待外れを乗り越える動機づけが不足すると、社会的成功が阻害され、抑うつや引きこもりなどの問題につながる。しかし、この動機づけを支える神経メカニズムは明らかになっていない。本研究は、げっ歯類ラットにおいて期待外れを乗り越える動機づけを検討する行動課題を開発し、この課題中の神経活動を計測・操作することで、脳複数領域間の役割を検討する。
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研究実績の概要 |
ヒトは、勉学・仕事・スポーツなどのアクテビティーにおいて、現状よりも高い目標を定める。自分の行動に思ったような結果が伴わなかった期待外れの場合でも、すぐに諦めるのではなく、むしろこれを乗り越えようとすることで将来の成功につなげる。しかし、この動機づけを担う神経メカニズムは不明である。本研究は、側坐核D1受容体陽性細胞の役割を予備的に検討した。 D1受容体陽性細胞にGCaMP8を発現し、その直上にレンズを埋め込んだ。頭部固定下のラットがレバーを前側に押すと音刺激が提示され、その後レバーを口元に引いた。この一連のレバー操作を一定回数繰り返した後に報酬を得ることができた。 行動を解析したところ、報酬獲得に近づくレバー操作ほど、試行開始からレバー操作を開始するまでの時間が短かった。また、報酬獲得から遠いレバー操作ほど、レバーを相対的に前側に押していた。 D1受容体陽性細胞の神経活動を解析したところ、報酬提示に対して正の反応を示す細胞(タイプ1)と、負の反応を示す細胞(タイプ2)が見つかった。また、タイプ1細胞はレバー操作が報酬に近づくほど活動が高なった一方、タイプ2細胞は活動が低くなった。また、レバーを口元に引いた直後の神経活動と同じ時点でのレバーの位置の関係性を解析したところ、タイプ1細胞では活動が低いほどレバーは前側に位置していたが、タイプ2細胞では活動が高いほどレバーは前側に位置していた。 今後さらにデータの取得を重ねる必要があるものの、以上の予備データから、側坐核D1受容体陽性細胞の中には、報酬期待に対応した活動を示す細胞群と、期待外れを乗り越える動機づけに対応した活動を示す細胞群が存在しており、後者の細胞群は未来の報酬を得るために行動を切り替えることに関わる可能性があることが示唆される。
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