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動物との関わりが地域社会に与える心理的影響:社会関係資本概念の応用による実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 22KJ1773
補助金の研究課題番号 22J00662 (2022)
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金 (2023)
補助金 (2022)
応募区分国内
審査区分 小区分10010:社会心理学関連
研究機関京都大学

研究代表者

金森 万里子 (2023)  京都大学, 人と社会の未来研究院, 特別研究員(PD)

特別研究員 金森 万里子 (2022)  京都大学, 人と社会の未来研究院, 特別研究員(PD)
研究期間 (年度) 2023-03-08 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード人と動物の共生 / ウェルビーイング / メンタルヘルス / スウェーデン / 日本 / 高齢者 / 犬 / 狩猟
研究開始時の研究の概要

人と動物の関係性の再構築の重要性が高まる中、地域で実際に人々が経験している動物との関わりが、どのようにポジティブ/ネガティブに人のウェルビーイングや精神的健康に影響しているか明らかにする。人と人のつながりを資源ととらえる「社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)」に着目し、人と動物のつながりにおいて応用することを見据えた実証研究を行う。

研究実績の概要

1.犬の飼育と健康:犬の飼育が高齢者の健康やウェルビーイングに良い影響をもたらすことを示す研究は数多くあるが、犬の飼育の健康効果は、地域環境によって変わりうる。本プロジェクトでは、人と犬のウェルビーイングのシェアリング関係をサポートする環境とはどのようなものか、明らかにすることに挑む。今年度は、2023年8月よりスウェーデンに渡航し、ストックホルム大学およびウプサラ大学の研究者との国際共同研究の体制を整えた。スウェーデンのデータを使用するための環境づくりが完了したので、次年度はこのデータの分析を進めていく。
2.スウェーデンにおける狩猟文化:北欧最大の狩猟フェア「エルミア・ゲームフェア」に参加したり、狩猟犬のドッグトレーナーに聞き取りを行うなどフィールド調査を行った。ヒトと動物の関係学会第30回学術大会シンポジウムに招待され講演を行った。また一般向けに、動物ブログ犬曰くにおいて記事を公開した。
3.人のウェルビーイングに関わる社会的要因:相互協調的な文化と高齢者のウェルビーイングについて、特に日本の健康・幸福に関する研究に着目した文献レビューを行い、論文を発表した。また、コミュニティにおけるジェンダー規範の認知がどのように精神的健康に影響するか、日本の高齢者のデータを用いて行った研究の論文が、出版された。本論文に対するCommentaryも出版され、新規性の高い研究として注目を集めている(Lutz et al. 2023)。国内外の学会で発表した。本論文の知見は2024年1月~3月にかけて、国内21紙の新聞にて紹介された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究代表者は2023年4月1日~7月31日の期間中、育児を理由として研究を中断した(特別研究員としての採用を中断した)。代わりに4か月間研究プロジェクトは延長される予定である(2025年7月まで)。

スウェーデン渡航後は、現地の研究者とのネットワークを広げながら、順調に研究プロジェクトを発展させていっている。今年度は複数回共同研究者とミーティングを行ったうえで、共同研究を実施するうえでのデータ利用環境を整えることができた(上記1)。また、スウェーデンにおける狩猟文化についての日本語での紹介は限られるが、観察結果をまとめ、学会発表・ブログ記事など形に残すことができた(上記2)。

さらに、人と動物の共生の前段階ともいえる、人間社会における共生に関する研究も継続してきた(上記3)。これまでの研究成果が出版され、学術界・社会から大きな反響を呼んでいる。

今後の研究の推進方策

特に上記1.犬の飼育と健康に関して、分析に必要なデータ準備が完了したので、2024年度および2025年度はデータの分析を中心的に実施し、得られた結果をもとに学会発表・論文化を行っていく予定である。
スウェーデンにおける狩猟文化の観察、人のウェルビーイングに関わる社会的要因についての研究も引き続き行っていく。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 備考 (4件)

  • [国際共同研究] ストックホルム大学/ウプサラ大学(スウェーデン)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Interdependent culture and older adults’ well-being: Health and psychological happiness in Japanese communities2024

    • 著者名/発表者名
      Uchida Yukiko、Kanamori Mariko、Fukushima Shintaro、Takemura Kosuke
    • 雑誌名

      Current Opinion in Psychology

      巻: 55 ページ: 101729-101729

    • DOI

      10.1016/j.copsyc.2023.101729

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Community gender norms, mental health, and suicide ideation and attempts among older Japanese adults: a cross-sectional study2023

    • 著者名/発表者名
      Kanamori Mariko、Stickley Andrew、Takemura Kosuke、Kobayashi Yumiko、Oka Mayumi、Ojima Toshiyuki、Kondo Katsunori、Kondo Naoki
    • 雑誌名

      International Psychogeriatrics

      巻: - 号: 5 ページ: 1-11

    • DOI

      10.1017/s104161022300087x

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 狩猟における動物福祉:スウェーデンのハンターから学んだこと2024

    • 著者名/発表者名
      金森万里子
    • 学会等名
      ヒトと動物の関係学会第30回学術大会シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 地域のジェンダー規範が高齢者の心の健康に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      金森万里子
    • 学会等名
      第18回日本応用老年学会大会シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Community gender norms and mental health among older Japanese adults2023

    • 著者名/発表者名
      Mariko Kanamori
    • 学会等名
      The 12th International Society of Social Capital Research meeting
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [備考] スウェーデンの狩猟における持続可能性:ハンターの話を聞いて考えたこと

    • URL

      https://inuiwaku.net/53075/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 犬好きも、キャンプ好きも、料理好きも・・・北欧最大の狩猟フェア「エルミア・ゲームフェア」

    • URL

      https://inuiwaku.net/48942/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 【論文出版】地域のジェンダー規範が保守的と感じる人は、うつ症状・自殺念慮・自殺未遂歴が約2倍多い

    • URL

      https://mariko-kanamori.moo.jp/2023/12/01/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実績報告書
  • [備考] 論文出版:地域のジェンダー規範が保守的と感じる人は、うつ症状・自殺念慮・自殺未遂歴が約2倍多い

    • URL

      https://socepi.med.kyoto-u.ac.jp/blogs/7246

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実績報告書

URL: 

公開日: 2022-04-28   更新日: 2024-12-25  

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