研究課題/領域番号 |
22KJ1777
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補助金の研究課題番号 |
22J00752 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
渡邉 真隆 (2023) 名古屋大学, 情報学研究科, 助教
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特別研究員 |
渡邉 真隆 (2022) 名古屋大学, 情報学研究科, 助教
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2026年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 共形場理論 |
研究開始時の研究の概要 |
強結合場の理論(強く相互作用する系)は多くの場合解析が困難であるが,物理学の諸分野の発展に不可欠である.本研究では新手法large charge展開を発展させ,中性子星の状態方程式の導出・高温超伝導体のメカニズムの理解・AdS/CFT対応を通じた量子重力理論の理解を行う.例えば既存の場の理論の解析手法(数値計算・可積分性・超対称性など)とlarge charge展開を組み合わせることで手法を改良しつつ,フェルミオンやゲージ場を含んだより現実的な理論に適用する.また,ブラックホール情報損失問題の解決のため,量子情報理論の概念を組み合わせて非摂動領域の量子重力理論を理解する.
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研究実績の概要 |
(1) Tenfold分類と呼ばれるフェルミオンの対称性の分類に対して,対応するoverlap Dirac演算子を構成した.また,それぞれの対称性に対するGinsparg-Wilson関係式とmod 2指数定理も与えた.さらにこれらの結果をまとめてarXivに投稿した.論文は数理物理の論文誌に投稿中である. (2) O(2)対称性のある2次元理論の巨大電荷セクターに可積分性があることを示した.一般に,理論に化学ポテンシャルを与えると超流動相に到達する場合,存在する対称性を用いて有効作用を書き下し,物理量を計算することができる.このような解析は一般に3次元以上の理論でしか行われていなかったが,今回は漸近自由な2次元理論に関して行った.この解析によって,一般の漸近自由な2次元理論ではこの有効理論にaccidnetalな可積分性があることを示し,論文をarXivに投稿した.可積分性は一般に特別な理論にしか存在しないと考えられており,より一般の理論でも大化学ポテンシャル下で理論に可積分性が発生することは驚きであった.論文はJHEPに投稿中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
トポロジカル相・可積分系と異なる分野に関する論文を2本発表できた.前者ではフェルミオンの格子上での定義に関する知見を与えることができ,後者では一般に可積分ではない理論においても化学ポテンシャルが大きい極限で可積分になるという非自明な結果を得た.これらのように,場の理論や格子状の理論に関する理解が進んだため,研究は順調に進展したといえる.
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今後の研究の推進方策 |
フェルミオンを対称性を保ったまま格子状に乗せる方法が分かったので,これを用いてエンタングルメントエントロピーやその"symmetry enhanced"版などを計算 する.これによってアノマリーと格子正則化との関係をよりよく理解する. その他,現在研究中の場の理論におけるエンタングルメントエントロピーとvN代数との関係に関しては,結果を論文にまとめる.
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